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SNS時代の消費行動、ネットと旅行に接点あり-JATA経営フォーラム

  • 2012年3月8日


匿名から実名へ、知り合いの情報のみを信頼

インフォバーン代表取締役 小林弘人氏

 さらにSNS時代におけるマーケティングについて、小林氏は「少し前までSNSではハンドルネームが使われていた。しかしFacebookの登場以降、ハンドルネームから実名へと変化している」と説明。小林氏の生徒は「顔写真がないと怖い」というほどだという。Twitterの場合はハンドルネームだが、同じアカウントで発信するという継続性がある。「間違えた場合はきちんと謝るなど、信頼を担保できない人とはコミュニケーションできないような環境になってきている」とし、匿名性の時代は終わり、実名主義に移行したと指摘する。

 藤田氏はまた、スマートフォンが急激な伸びを示している状況について、「今までは自宅に帰ってPCで検索していたことが、いつでもどこでもその場で検索できるようになったことから、情報を入手するタイムラグがなくなり、ライフスタイルが変化しはじめている」と述べ、企業が情報発信をする際には「自分に関係があると思ってもらうことが重要だ。要はその情報が顧客の役に立つか立たないか。企業にとってのみ都合の良い情報ではなく、客の立場で、届ける情報を判断しなければならない」と語った。

日本経済新聞社「日経消費ウオッチャー」編集長 藤原弘明氏

 さらに旅行会社のプロモーションについて、往々にして「この旅行の見どころはここ」と自分たちが注力したところのみを訴えることが多いが、実は顧客はその他の部分で旅行の価値判断を決めているかもしれないと、注意すべき点について触れた。「グループインタビューでもそうだが、『ここが良かった』といってほしいがための調査をしても意味がない。客の立場になって聞かないと、顧客が本当に求めているものは見えてこない」と述べた。

 また藤原氏は、「企業側が発信している情報をもはや消費者は鵜呑みにしない。それどころか、消費者はさまざまな旅行情報サイトすら信じなくなっている」と指摘。信じるのは直接的な知り合いか、会ったことがなくてもSNSを通じてやりとりしている人々の意見だけだ。そのため「SNSをマーケティングに活かすのは難しい時代になってきている」と話す。