ホールセール特集(3):高まるネット販売率、店舗とのシナジー効果も
インターネットやデジタルパンフレット活用
iPadを使った新しい試みも
さまざまな場面でオンライン化、デジタル化が進むなか、各ホールセラーでも販売店向け、消費者向けに新しい取り組みを始めている。KNTでは新たにインターネット上で相談や問い合わせに対応するコンシェルジュ機能を立ち上げる。現地社員やカウンターマネージャーが消費者の質問や相談に応じるもので、オーダーメイドの旅も作れるようにする。「店舗が近くになくても、ネット上で会話をする仕組み」(田口氏)と、店頭同様あくまでも会話を通した販売にこだわる。
また、直営のKNTツーリスト向けの新しい試みとして、iPadを使って海外ウェディングで利用できる教会やレストランなどを説明する「ウェディングPad」という販売ツールの活用を始めた。動画を交えたリアルな情報が得られることから、販売の手助けになると期待は大きい。今後はウェディングだけでなくさまざまな情報を入れていく予定だ。
JTBWVでは、紙パンフレットの情報量を整理したことで、デジタルパンフレットとの親和性も生まれた。ホームページ上では、デジタルパンフレット内のキーワード検索も可能とし、パンフレット記載のコース番号から空席照会もできるように工夫している。また、販売店向けにはデジタルパンフレットによる情報提供も展開。情報の一部を販売店の都合に合わせて販売店のホームページでも活用できるように協力体制をとっている。
阪神航空フレンドツアーでもホームページ上でデジタルパンフレットを展開している。「販売店に紙パンフレットを置いていない場合、数年前まではパンフレットを実際に送るかファックスしていたが、現在はホームページで対応できるようになった」と川上氏は話し、デジタル化することで販売店との協力体制にスピード感が加わったことを指摘する。