ホールセール特集(1):上期商品は「質」重視、商品拡充や早期取込策も

  • 2012年2月22日

ANAセールス、取扱方面を拡充
ジャルパックはブランド「確立」へ

 ANAセールスは今年から、スターアライアンス加盟航空会社など、全日空(NH)以外の外航の利用を開始した。商品ラインナップの拡大と新規方面の設定が目的で、現在は外航の取扱いは約10%程度だが、将来的には50%程度まで高める方針だ。たとえば、「感動の旅ヨーロッパ ケニア・モロッコ」添乗員同行周遊の旅では、前年よりコースを8コース増加し42コースで展開。また、「感動の旅」では「アメリカ」「ニュージーランド」を新設した。13年度中には海外旅行商品の新ブランドを立ち上げる計画で、新デスティネーションの開発にも積極的に取り組む。

 一方、ジャルパックは2012年を「JALパックブランド確立の年」とし、JALパックならではの高品質で「いい旅、新しい旅」の定着をはかる。一部例外を除き日本航空(JL)の利用を大原則とし、JLのネットワークを活用。アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアと一部例外を除くアジアを対象に、羽田、成田までのJL国内線を追加代金なしで設定した。また、主力のハワイやヨーロッパをさらに強化。たとえばハワイでは隣島専用商品を期首商品に復活させ、ヨーロッパでは「JALパックならでは」としてモン・サン・ミッシェルの砂浜散歩ツアーなどのコースを設定した。


早期取り込みへ、早期割引商品拡充

日本旅行東日本海外旅行商品部チーフマネージャーの永尾邦洋氏  販売面では、早期受注対策に力を入れるホールセラーも多い。ジャルパックではハワイでの「早決90」で1名5000円割引などの料金面での特典に加え、海外商品共通で60日前までの予約で隣席もしくは付近の席を確約する「早決60」を設定。JTBWVでも早特プランを拡充しており、早期申込のお得感をアピールして顧客の囲い込みをはかっている。

 早期特典のみならず、発売日自体を早める傾向も目立つ。日本旅行では昨年に引き続き、先行受注を強化。東日本地区の4月から6月出発の海外旅行に関する受注の時期は、10年1月から2月末までの予約は全体の25%だったが、11年1月から2月末は5ポイント増の30%となった。日本旅行東日本海外旅行商品部チーフマネージャーの永尾邦洋氏は「今年はさらに取り組みを深め、先行受注の割合を増やしたい」と意欲的だ。

 そこで今年は発売日を約1ヶ月前倒しし、11年12月中旬から販売を開始。さらに先行予約の傾向が強いハネムーナーやシニア層をターゲットに、付加価値をつけた商品の品揃えを強化した。たとえばウエディングでは180日前、90日前の申し込みで割引や挙式会社からの特典をプレゼントする。

 日本旅行よりも早期に販売を開始したのが阪神航空フレンドツアーだ。他社に先駆け、東京発商品で11年12月2日のヨーロッパのパンフレットを皮切りに順次発売している。90日前、60日前の早期割引も設定した。商品発売日の早期化も、今後のホールセール商品の展開として見逃せない傾向である。