ホールセール特集(1):上期商品は「質」重視、商品拡充や早期取込策も

  • 2012年2月22日

シニア需要の拡大に期待、専用商品で取り込みはかる

 2012年は団塊世代の大量定年や、シニア層が東日本大震災による旅行控えからの回復基調にあることで、シニア需要の拡大に期待がかかる。各社ともパンフレットの見やすさの追求や専用商品による囲い込みなど、対策に余念がない。

 日本旅行では、団塊世代の退職にあわせた「退職記念海外の旅」を設定。また、阪神航空フレンドツアーも、同社の主力客層であるシニア層への取り組みを強化。需要が高まりつつあるというビジネスクラス専用コースを前年の2倍に増加したほか、ヨーロッパをはじめとした商品で連泊を基本としたゆとりのある日程とした。

 また、KNTでは夫婦限定の少人数商品「ゆとりっぷ」を新設。長めの日数で観光などをゆっくりできるよう工夫し、シニア層の取り込みもねらう。バス座席を夫婦で4席利用可能とし、8名催行で最大22名までの限定商品とした。


少人数催行コース増加、限定商品も

 今年の傾向として、2名催行コースや少人数限定コースの設定を増やす動きが見られた。JTBWVでは少人数催行保証コースを拡充し、たとえばイタリア方面では2名催行保証日を前年比15%増の273本に増やした。ジャルパックもヨーロッパで2名催行コースを前年上期より8%増やし、ハネムーナーの取り込みをはかる考えだ。日本旅行もヨーロッパで2名出発コースを拡充したほか、「大好き」シリーズで最大参加人数を24名もしくは28名とした。

 また、KNTでは「ゆとりっぷ」に加え、クルーズ商品で2名催行のカジュアルクルーズ商品も用意した。ANAハローツアーでは添乗員同行の周遊型旅行は参加人数を18名に限定。少人数を生かした快適な旅を提供し、取扱いの増加へとつなげる考えだ。