カナダきっての人気観光スポット、ナイアガラの滝。トロントからバスや車で約2時間という近さにあり、世界三大瀑布の中ではもっとも気軽に訪れることができる場所です。滝は、北米五大湖のエリー湖からオンタリオ湖まで、アメリカ国境線上に流れるナイアガラ川の中間地点にあります。幅670m、落差52mのカナダ滝と、幅260m、落差32mでまっすぐに落ちるアメリカ滝の2つからなり、とりわけ巨大な馬蹄形をしたカナダ滝は有名。
 湾曲した絶壁から膨大な水が怒涛のように落ちる様子は、見た目も音も迫力満点。古くから先住民は、この滝を「オンギアーラ」(とどろく水)と呼んであがめてきました。これがナイアガラという名前の由来にもなりましたが、実際の滝を目の前にすると、そう名付けた人々の恐れや驚きも実感できます。
 観光地としての歴史が長いため、周辺には滝や川を楽しむための様々なアトラクションが用意されており、またホテルやB&Bも充実。特に滝間近に建つホテルのフォールズ・ビューの部屋は大人気です。

 冬はナイアガラ観光の最高の穴場シーズンといえます。夏、滝の周りはどこへ行っても観光客でいっぱい。ピーク時には、展望台テーブルロックでも最前列で滝を見るのは難しいほどです。ところが冬は訪れる旅行者もまばら。寒さ対策さえしっかりしていれば、人に邪魔されることなく、じっくりと滝を眺めることができるのです。

 しかも冬には、この時期にしか見ることができない、素晴らしい滝の表情にも出会えます。寒さの中、とび散った飛沫が周辺の木々を凍らせて樹氷を作り上げるのです。これがクリスタルのように輝き、その中を流れる滝はとびきり神秘的。また、夜には滝のライトアップが行われますが、2009年11月7日から2010年1月4日までは、光の祭典「ウィンター・フェスティバル・オブ・ライツ」も開催され、あたり一帯がイルミネーションで輝きひときわ華やかに。この様子が見られるのも、この季節のメリットです。

 10月中旬から5月中旬までは、人気の遊覧船「霧の乙女号」は運休となりますが、それを補って余りあるほどに、魅力あふれる冬のナイアガラをぜひお客様にご提案ください。

 ナイアガラの滝があるナイアガラ地方は、カナダ有数のワイン産地。一帯に60か所ものワイナリーが点在しており、試飲をしながら好みのワインを探すワイナリー巡りが人気です。ナイアガラ・ワインは、生産量が少ないため、日本ではあまり存在を知られていませんが、数々の国際コンクールでも高い評価を得ている実力派。手作り感覚で作られた丁寧でデリケートな味わいが人気です。白ならシャルドネやリースリング、赤ならピノ・ノワールやメルローなどを使ったワインがおすすめです。

 ワイナリーの中には、優雅なレストランを備えたところも少なくありません。出されるのは、地元の素材を生かした「ナイアガラキュイジーヌ」。雪をかぶったブドウ畑を眺めながらワインとともに美味しい料理を楽しむ。そんなのんびりとした冬のひと時をすごしてみては。

 ワイナリー巡りのベースとしたいのは、滝から車で30分ほどのところにあるナイアガラ・オン・ザ・レイクの街。19世紀の街並みがそのままに残る瀟洒なリゾートタウンで、かわいらしいブティックでのショッピングや優雅なインテリアのカントリー・インでの滞在が人気です。

 ナイアガラのワインの中でも最も人気が高いのが、アイスワイン。これは、冬に凍ったブドウを収穫し、糖分が凝縮した果汁だけを使って作られる希少なデザートワインです。トロリとした飲み口と上品な甘さと香りが特徴で、世界のワイン通から絶賛されるおいしさ。冬の寒さが厳しいナイアガラでは、このアイスワインが安定的に生産できることもあり、ほとんどのワイナリーで作られています。350mlの小さなボトルでも3000円以上するなど、通常のワインに比べると少々高くなりますが、価値は十分。旅行されるご本人の旅行の思い出に、そして大切な方へのお土産におすすめです。


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