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海外教育旅行メールマガジン 7月号 | ![]() |
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【マレーシアでの体験を通して自分の国と自分の将来をみつめることができる】 神戸市郊外の高台にたつ兵庫県立須磨友が丘高校は、2年前よりマレーシアへの研修旅行を実施している。第3回目となる今年も総合学科第22回生約280名の生徒が1月下旬に出発した。 教諭らの事前の熱心なリサーチにより実現したさまざまな体験プログラムを通して、生徒たちはひと回り大きくなって帰って来た。 ![]() |
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![]() 「暑い地で それよりあつい 家族愛 そして感じる 我が家の愛を」 これは2年前に実施された同校初のマレーシア研修旅行に参加した生徒が詠んだ短歌である。当時2学年266名の生徒が旅の感想を短歌に詠んだ。異国での感動やカンポン(村)での心温まる交流の様子がストレートに伝わってくる。 「どの生徒も、帰国後は大きく成長したことがわかります」と語るのは、同校の総合学科推進部部長の西田勝浩教諭。進学校である同校は、海外研修旅行を将来の進路分野を見つけるためのキッカケづくりとしてとらえている。 「出発前にそれぞれが課題を設けて研究しますが、どの生徒も自分が選んだことが帰国後に大きな成果となって返ってくる手ごたえを感じているようです」 とはいえ、目的地がマレーシアに決定されるまでには教師たちのさまざまな努力があった。西田教諭はじめ、同じく総合学科推進部の稲田富美男教諭、勢井洋久教諭、学年担当の西村恭介教諭、石井良和教諭らが実施の2年前から熱心に調査研究を行ない、時には個人的にめぼしい国を訪れたという。最も重視したのが政治的な安定性であり、加えて安全度と親しみやすい国民性であるかどうかも検討された。さらに国際言語としての英語が幅広く使われているといった点も加味されて、各教諭の結論がマレーシアで一致した。 「カンポンに行ったときに、少し前まで日本にあったものが生き続けているのに心打たれました。隣人同士の助け合いや思いやり、家族の絆など、今の日本では希薄になりつつある”人の心“です。物質的には豊かになった日本はそれと引き換えに精神的に貧しくなった。生徒たちにもそうしたことを感じ取ってもらいたいと、初回からカンンポンステイのプログラムを取り入れたのです」 |
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![]() 「最初は生徒たちも不安を抱いているようですが、ホストファミリーの温かさに触れるにつれて心が解きほぐされ、翌日の別れの時にはどの子も号泣しています。 異国の生活様式にとまどいを覚えながらも、マレー風に手を使って食事をしたり、満天の星空を眺めたり、朝は鶏の声で目が醒めたりといった体験も忘れがたい思い出となるようです」 今年はこの国際理解コースと社会文化コースの2コースで研修旅行を行なったが、過去2回までは「自然科学コース」が設けられており、全3コースに分かれていたという。 「自然科学コースは、マレー半島奥地に広がるタマン・ネガラ国立自然公園を訪れていました。先史時代からの熱帯雨林が広がり、先住民族のオラン・アスリが暮らす地域です。 川づたいにボートで2時間以上かけてロッジに行き、そこで2泊します。ジャングルの中の吊り橋を渡るキャノピーウォークや、夜のナイトトレッキングなど、 熱帯雨林の昼と夜の異なる姿を見ることができました」 同時に、開発によって奥地へと追いやられながらも今でも自然から全てのものを得て暮らしているオラン・アスリの生き方に、生徒たちは自然保護と共生の大切さを学んだという。 「あの体験を今年も生徒たちに味わわせてあげたかったのですが……」と少し残念そうな表情を浮かべる西田教諭。実は今年度から、種々の制約によりタマン・ネガラ行きを断念したのだという。 「大自然に触れることは生徒にとって一生の宝物となります。可能になればぜひとも復活させたいプログラムですね」 |
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![]() 「見学はもちろん大切ですが体験はそれを上回る学習法なのだということがよくわかります」 また、このコースではマレーシア最古の歴史都市マラッカを訪れるが、そこはイスラム教やキリスト教、仏教などの歴史的建造物が徒歩で周遊できる距離に点在している。いわば世界三大宗教の縮図のような街である。 「ヒンズー教を含めると、マレーシアのどの都市でも多宗教が共存しています。生徒が詠んだ短歌に ”いろいろな宗教ありしマレーシアただ神思う心ひとつに“という秀作がありますが、異なる宗教を信仰していても神や平和を求める心は同じということを生徒自身がマレーシアで感じ取るのです。本当の国際理解や平和教育の姿がそこにあります」 さらに西田教諭は次のように言葉を続けた。「外国に行くことで外から自分の国をみつめることができる、そのこと自体が貴重な体験学習だと私は考えています」 |
資料:兵庫県立須磨友が丘高等学校、マレーシア修学旅行日程 |
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*詳細はマレーシア政府観光局のホームページをご覧下さい。 |
www.tourismmalaysia.or.jp |