VIVA STUDENT
海外教育旅行メールマガジン 3月号
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マレーシア政府観光局 海外教育旅行を成功させるための提案

ケーススタディ <文京学院大学女子高等学校の場合>

マレーシアで、真のアジアを感動体験!
  東京の「文京学院大学女子高等学校」では、2月末より、真のアジアを感じる「マレーシア」を修学旅行の目的地として選択し、訪問した。
  今年、文京学院では、生徒自身がマレーシアか、沖縄か、二者から選べる修学旅行を実施しており、今後はこの選択肢を増やして、より生徒のニーズに応える研修旅行を実施していく予定である。
  「なぜ、マレーシアなのか?」「どんな体験だったのか?」を文京学院大学女子高等学校の修学旅行を企画・運営している総務主任並びに社会科主任、入江祥史(いりえ よしひと)教諭に聞いてみた。

英語圏で治安も良く、清潔で笑顔が似合う国民性、しかも旅行費用が格安
Q なぜ、海外修学旅行先としてマレーシアを選ばれたのですか?
A   本校では以前、修学旅行をオーストラリアで8年間実施していました。素晴らしい内容だったのですが、旅行費用が高く、保護者の負担が大きすぎるという意見が多く、別の候補地を選択する事になり会議を重ねました。
  デスティネーション決定のポイントとして、
@ 「英語圏」である。4年制大学・短期大学・専門学校・幼稚園を併設する本学院としての国際理解教育の一環として、第一の要素として挙げられるもの。
A 「旅行費用の低廉化」。昨今の経済情勢を鑑み、保護者に過度の負担をかけない。
B 「治安の良さと学校交流」。現地の人々との交流こそ修学旅行最大の目的である。
C 「親日感情が強く、フレンドリーな国民性」。本当の心が感じられるマレーシア。今の日本人が忘れてしまった昭和40年代の姿(昔の日本の良さ)が残っている。つまり、真の日本の良さがマレーシアには感じられる。
  また、私が(社)日本マレーシア協会の学校教育担当参事であったことも、決定する上で大きな要素となったのは紛れもない事実です。
  現在は「マレーシア・シンガポール」の2カ国を実施していますが、できるだけ近い将来、「真のアジア、マレーシア」だけにする予定です。
  というのもシンガポールでは国籍問題があり、再入国が難しい国籍を持った生徒が、本学院に在籍しています。
  旅行期間が限定されている修学旅行にとって、2カ国訪問するロスタイムをうまく活用する意味でも、1カ国でじっくり、その国を体験した方が、生徒の満足度も、よりアップするのではないかと考えました。
マレーシアの市内観光を楽しむ学生
マレーシアの市内観光を楽しむ学生

現地の高校の学生と交流
現地の高校の学生と交流


カンポンビレッジの訪問に人気、来年は訪問時間を長くしたい
Q マレーシアで、どんな体験学習をしたのですか?
A   本学院では、高校1年生の秋と校外学習(遠足)も、3コースから生徒自身が選択できる方法を採用しています。その流れとして高校2年生でも、修学旅行の選択性を導入し、生徒やその保護者から大好評を得ています。
  やはり、これからは生徒ひとりひとりの気持ちを尊重する学校が生き残っていくのではないでしょうか。
  本学院は、すべての面で生徒の立場からの視点を第一に考えています。
  マレーシアでの体験学習は3コース設定しました。
  Aコースは、本学院の併設校でもある文京学院大学(男女共学)が姉妹校提携しているマレーシア国立マラ工科大学で「マレー語講座・マレー料理実習・マレー舞踏」を体験します。大学の専門の先生方が直接、指導してくれる内容で、非常に評判が良い、高校生としてお奨めする内容です。
  Bコースは「FRIM森林研究所・新行政都市プトラジャヤ・電脳都市サイパージャヤ」の訪問です。FRIMでは、今なお残る太古の森、マレーシアの自然を身体全身で感じることができる貴重な施設です。一方、ペトロナス・ツインタワーと並ぶ近代マレーシアの象徴、プトラジャヤやサイパージャヤを見学するコースも含まれています。
  Cコースは、最近、日本で人気急上昇中の「カンポン・ビジット(マレー村訪問)・シラット(マレー空手)体験」です。
  現地の人々の日常生活を共にする、まさしくこれぞ異文化体験。
  最初は誰もが、ぎこちなくふるまっているが、受け入れてくれた家庭の本当の心に接した途端、「驚きから感動に変わる旅」へ。
  そして時が経ち、帰る際には「こんなに楽しいのに、もう帰るの」と生徒の口から、名残惜しさがいっぱいとなってしまった。
  次回は「1泊2日のホームスティがいいなあ!」と参加した生徒が、全員異口同音に言ったのが、とても印象的でした。
  この3コースをアレンジしてくれたのが、私の友人でもあるマレーシア・ホームスティプログラム協会会長のサハリマン・ハムダン氏でした。
  もう一つの大きな目的である学校交流では、クアラルンプールの洒落た住宅街アンパン地区にある本学院の姉妹校、公立のアンパン女子高校に訪問した。
  学校交流では、出発数ヶ月前からメールや手紙で、数回生徒同士が連絡を取り合ってから実施しているので、はじめて会うという気がしない。
  そのため、うちとけるのも早い工夫をしており、相手の歓迎も、シラット演技やマレー模擬結婚式、3民族(マレー系・中華系・インド系)のファッション・ショーなど、とにかく盛りだくさん。
  1日があっというまに過ぎてしまった交流会でした。日本に帰国しても友人として、今後もずっと、お付き合いをしている生徒も多くいます。
シラットを体験する
シラットを体験する

シラットの型を真剣に学ぶ生徒達
シラットの型を真剣に学ぶ生徒達

ホームビジットで、村の人達と一緒に遊ぶ生徒達
ホームビジットで、村の人達と一緒に遊ぶ生徒達

立案の秘訣は、いろいろな人の話を聞きプランは教員が決める
Q 最後に、修学旅行を立案するときの秘訣を教えてください。
A   まず、私、入江に連絡してください。(笑)いつでも、ご相談に応じます。
現在、栃木県と神奈川県の公立高校の修学旅行のプランをコーディネートしています。
@ 旅行業者まかせにしないこと。相談はいいのですが、プラン立案は、教員で決定すること。昔のような、業者丸投げでは時代から乗り遅れてしまいます。いま、生徒も保護者もしっかり見ています。どの学校の先生方が真に生徒のことを考えているか。教員が問われる時代であることを認識してほしい。
A 修学旅行セミナーや研修会に積極的に参加する。ただ、参加するだけでなく、いろいろな分野の人々と知り合って相談する。
例えばマレーシア政府観光局、JALなどの航空会社、数多くの旅行業者(自分の学校の指定業者だけでなく、多くの旅行業者が必要)、JICA(独立行政法人 国際協力機構)。人間関係をより多く持っている方が、ニーズに答えられる。
B 「マレーシア・トラベル・エキスパート」など旅行関係の資格を取る。
以上、私が今まで、実践してきたことを述べてみました。ぜひ、ご連絡を待っています。
村でマレーシア料理を体験
村でマレーシア料理を体験

――ありがとうございました。

資料:文京学院大学女子高等学校、マレーシア修学旅行スケジュール >拡大して見る[PDFファイル]


*詳細はマレーシア政府観光局のホームページをご覧下さい。
www.tourismmalaysia.or.jp