注文書ファクタリング画像

事業運営に必要な資金を通常より早く調達するために、ファクタリングサービスが利用されています。 2020年頃には新たなニーズに対応した「注文書ファクタリング」が誕生しました。

注文書ファクタリングがどんなサービスなのか把握しておくと、利用してから後悔するリスクが回避できます。 本記事では注文書ファクタリングの概要やメリット・デメリットを解説します。

注文書ファクタリングとは?何かを解説しているので、是非、ご参考にして下さい。注文書ファクタリングに対応しているおすすめの業者も紹介しているので、参考にしてください。

注文書ファクタリングは注文書を買い取る資金調達方法

注文書ファクタリングは注文書や発注書を基に資金調達する方法です。

国税庁によると、ファクタリング事業は「業界団体等による自主規制の取組みに必要な経費を補助することなどにより、中小企業者が安心して資金調達できる環境の整備を促すことを目的とする事業」と定義しています。

しかし通常のファクタリングは、業務をこなして請求書が発行されるまで審査に使えません。

注文書ファクタリングは注文書を買い取る資金調達方法画像

注文書ファクタリングは請求書になる前の注文書や発注書の段階でも、審査に通過すれば資金調達できます。 国税庁の定義するファクタリング業者のビジョンに近づくサービスとして注目されています。

ファクタリング審査の甘い業者の記事も確認してみて下さい。

出典:国税庁:注文書、依頼書等と表示された文書の取扱い 出典:公正取引委員会:注文書など下請法 知っておきたい豆情報 その1

注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの違い

注文書ファクタリングと請求書ファクタリングの違いは、「資金調達のタイミング」「手数料」「審査の厳しさ」「提供する会社の数」の4つです。

比較項目 注文書ファクタリング 請求書ファクタリング
資金調達のタイミング 案件の受注時から可能 納品後に請求書を受け取ってから可能
手数料 高い 低い
審査の厳しさ 厳しい 厳しくない
提供する会社の数 少ない 多い

注文書ファクタリングは、案件の受注時から資金調達できるファクタリングの方法です。 利用者側にとって注文書ファクタリングは、すぐに資金調達できる方法として注目されています。

しかし業者側にとっては資金が回収するまで時間がかかり、回収リスクが高い方法です。 回収リスクが高いため、請求書ファクタリングより手数料が高く、審査が厳しく設定されています。

また注文書ファクタリングは始まったばかりのサービスなので、2024年現在利用できる会社は少ないのが現状です。

注文書ファクタリングの利用が多い業者

注文書ファクタリングは、建設業・製造業・測量業・電気工事業・運送業の企業が頻繁に利用しています。

ファクタリング業者の「ビートレーディング」の調査によると、注文書ファクタリングを最も利用しているのは建設業で、全体の65%を占めています。

業種 注文書ファクタリングの割合
建設業 65%
製造業 14%
測量業 9%
電気工事業 9%
運送業 3%

5つの業種は案件の着手前に多額の資金がかかる場合が多いです。

資金繰りが悪化しやすいため、案件着手前から資金調達できる注文書ファクタリングが重宝されています。

注文書ファクタリングのメリット

注文書ファクタリングのメリットは4つです。

1つずつみていきます。

案件を受注した時点で資金調達できる

案件を受注した時点で資金調達できる画像

注文書ファクタリングは、案件を受注した時点で資金調達できます。

案件を受注してから納品するまでには時間がかかります。

注文書ファクタリングを活用すると、資金調達するまでの日程を大幅に前倒しできるため、資金面を気にせずに意思決定しやすいです。

資金面の悩みで意思決定に時間がかかっている企業は、注文書ファクタリングを活用しましょう。

支払い期日が長い売掛金でも使える

注文書ファクタリングは、支払い期日が長い売掛金にも使えます。

多くの請求書は現金化するまでに約半年の時間がかかります。

注文書ファクタリングは半年先であっても、前倒しして資金調達に応じてもらえるため、事業運営に必要な資金調達がいつでも可能です。

必要な資金がすぐに調達しやすいと、安定した事業運営が継続できます。

支払い期日が長い売掛金をよく扱う企業だと、事業の業績は黒字でも、資金繰りに苦しんで黒字倒産するケースも見られます。 黒字倒産のリスクが懸念される企業は、注文書ファクタリングを検討しましょう。

売掛先に知られずにファクタリングできる

注文書ファクタリングは請求書ファクタリング同様に、売掛先に知られずにファクタリングできます。

注文書ファクタリングは2社間ファクタリングを採用しています。

2社間ファクタリングは、ファクタリング利用者とファクタリング業者のみで完結するサービスです。

売掛先に通知が届かないため、売掛先に隠れて資金調達できます。

償還請求権がない

注文書ファクタリングは、償還請求権を気にせず利用できます。

償還請求権は売掛先から売掛金が回収できない場合に、ファクタリング利用者に代金を請求できる権利です。

注文書ファクタリングは償還請求権がないため、売掛先が倒産して資金が回収できなくなっても、利用者側が負担を負うことはありません。

償還請求権を気にしている方は、注文書ファクタリングを利用しましょう。

注文書ファクタリングのデメリット

注文書ファクタリングのデメリットは4つです。

1つずつみていきます。

通常より手数料が高い

注文書ファクタリングは、通常より手数料が高いです。

注文書ファクタリングは2社間ファクタリングが一般化しており、売掛先を含んだ3社間ファクタリングに対応していません。

2社間ファクタリングは手数料を利用者だけで負担する必要があるため、注文書ファクタリングの手数料は高いです。

消費者金融のローン同様に、資金調達する金額が増えると手数料が下がります。

ただし注文書ファクタリングの場合、業者が背負う未回収リスクが高いケースにおいても、手数料が高くなります。

審査に通過しづらい

注文書ファクタリングは審査に通過しづらいです。

注文書ファクタリングには資金回収のリスクが高く、償還請求権が使えないため、審査基準が厳しく設定されています。

注文書ファクタリングは申し込みのハードルが低い代わりに、審査の通過率が低いサービスだと捉えて申し込みを検討しましょう。 具体的な審査通過率の目安は公開されていません。

請求書ファクタリングより審査に通過しづらい点を考慮して、どちらのファクタリングサービスを利用するか考えましょう。

注文書ファクタリングに対応するサービス自体が少ない

注文書ファクタリングに対応するサービス自体が少ないです。

注文書ファクタリングは新規性のあるファクタリングサービスです。 請求書ファクタリングを展開する業者の一部が、注文書ファクタリングを展開しています。

限られた注文書ファクタリング業者のなかから自社に合うサービスを探す必要があるため、慎重に検討してサービスを決めましょう。

個人事業主だと利用できない場合が多い

個人事業主だと利用できない場合が多い画像

注文書ファクタリングは個人事業主向けのファクタリングだと利用できない場合が多いです。

注文書ファクタリングが必要な業者は、発注から入金までの時間がかかる業者です。 個人事業主で現金化までに時間のかかる業種は少ないため、個人事業主は注文書ファクタリングを利用しましょう。

審査が通りやすい注文書ファクタリング業者

審査が通りやすい注文書ファクタリング業者を紹介します。

注文書 ファクタリング業者 利用可能額 手数料 必要書類
ビートレーディング 下限・上限なし 7.0%~18.0% 見積書or発注書 通帳(のコピー)
BESTファクター 30万円~1億円 2.0%~ 本人確認書類 見積書or発注書 通帳(のコピー)
ファクタリングのTRY 10万円~5,000万円 3.0%~ 本人確認書類 契約書 見積書or発注書 通帳(のコピー) 代表者の実印
GMO BtoB 早払い 100万円~1億円 1.0%~ 見積書or発注書 契約書 直近2期分の決算書
けんせつくん 下限・上限なし 5.0%~ 本人確認書類 成因証書 通帳(のコピー)

業者によって利用可能額や手数料、必要書類などの要件が異なります。

注文書ファクタリング業者別の特徴を理解し、自社の目的に合うサービスを利用しましょう。

ビートレーディングは買取率98%の実績がある

ビートレーディング画像

ビートレーディングは買取率98%の実績がある注文書ファクタリング業者です。

ほとんどの注文書ファクタリングに応じており、審査落ちを気にせず利用できます。

サービス内容 ビートレーディング
利用可能額 下限・上限なし
手数料 7.0%~18.0%
必要書類 見積書or発注書 通帳(のコピー)
審査時間 最短翌日
運営会社 株式会社ビートレーディング

ビートレーディングの特徴は3つです。

  • 買取率98%の実績がある
  • 創業1年以内の企業でも利用できる
  • 必要書類が少ない

ビートレーディングでは、創業1年以内の企業でも利用できます。

創業1年以内の企業だと実績がないため、利用できないファクタリング業者が多いです。 しかしビートレーディングは、資金力の不安定な企業の成長を促進する目的で、実績の乏しい企業でも丁寧に審査してもらえます。

ビートレーディングの口コミ

出典:グーグルマップの規制当局 複数の業者に問い合わせしましたが、対応の良さでビートレーディングさんを選びました。 入金までの流れも早く、依頼してよかったです。
出典:グーグルマップの規制当局 初めてファクタリングを利用しました。 違法な業者も存在すると聞いてましたが、とても対応がよくて安心して利用できました。 手数料も低くてありがたいです。

ビートレーディングの利用者からは、「対応がよかった」「手数料が低い」などの意見が見られます。

ビートレーディングは早期から注文書ファクタリングを提供したサービスで、注文書ファクタリングの利用者から信頼されています。

実績の豊富な注文書ファクタリングを利用したい方には、ビートレーディングがおすすめです。

【公式】ビートレーディングはこちら

BESTファクターは買取可能額の幅が広くて利用しやすい

BESTファクター画像

BESTファクターは買取可能額の幅が広くて利用しやすい注文書ファクタリング業者です。

30万円から資金調達できるため、事業規模の大小に関係なく気軽に利用できます。

サービス内容 BESTファクター
利用可能額 30万円~1億円
手数料 2.0%~
必要書類 本人確認書類 見積書or発注書 通帳(のコピー)
審査時間 最短1時間
運営会社 株式会社アレシア

BESTファクターの特徴は3つです。

  • 買取可能性の幅が広くて利用しやすい
  • 財務コンサルティングサービスが無料で利用できる
  • 公式サイトから無料で診断できる

BESTファクターでは、財務コンサルティングサービスが無料で利用できます。

注文書ファクタリングが必要な企業は、資金繰りに苦労している企業です。

資金繰りに苦労している段階の企業だと、財務管理のスキルが欠けている場合があります。 BESTファクターを利用すると、資金調達だけでなく企業の成長に必要な財務面のノウハウが無料で身に付けられます。

BESTファクターの口コミ

出典:グーグルマップの規制当局 手数料が安く、細かい融通も利いていただき本当に助かりました。資金繰りのサポートなどを含め、信頼性のある企業だったのでベストファクターさんに乗り換えました。 これからもお付き合いの程よろしくお願い致します。
出典:グーグルマップの規制当局 今回で3度目のファクタリングになりますが、活用できる場面が多く重宝しています。 つい最近では悪天候の影響で工事が延期となり、入金ズレが発生しましたが、ご相談したところ迅速にご対応頂き大変助かりました。

BESTファクターの利用者からは、「細かい融通が利く」「迅速に対応してもらえた」などの意見が見られます。

スタッフの対応が高く評価されており、どのような状況でも安心して任せられます。

相談者の込み入った事情も考慮してもらえるため、他社以上に柔軟なファクタリングサービスの利用が可能です。 優れたスタッフの下で注文書ファクタリングを利用したい方には、BESTファクターがおすすめです。

ファクタリングのTRYは秘密厳守の2社間のファクタリング実績がある

ファクタリングのTRY画像

ファクタリングのTRYは秘密厳守の2社間のファクタリング実績がある注文書ファクタリング業者です。

2社間ファクタリングであれば、売掛先から資金繰りに苦労している状況を知られずに取引が進められます。

サービス内容 ファクタリングのTRY
利用可能額 10万円~5,000万円
手数料 3.0%~
必要書類 本人確認書類 契約書 見積書or発注書 通帳(のコピー) 代表者の実印
審査時間 最短即日
運営会社 株式会社SKO

ファクタリングのTRYの特徴は3つです。

  • 秘密厳守の2社間ファクタリングの実績が豊富
  • 24時間いつでも相談できる
  • アフターフォローが手厚い

ファクタリングのTRYでは、24時間いつでも相談できます。

平日の日中しか使えない即日ファクタリングサービスがほとんどです。

一方でファクタリングのTRYは、24時間いつでも連絡が取れるため、資金調達や資金調達後に発生した問題に対して柔軟に対応してもらえます。 平日日中以外の時間も営業している企業は、ファクタリングのTRYに相談しましょう。

ファクタリングのTRYの口コミ

出典:グーグルマップの規制当局 資金調達が必要で東京ファクタリングTRYさんに相談しました。親切で対応も完璧でした! また機会があれば、相談させていただきます。
出典:グーグルマップの規制当局 対応が手厚く、安心感がありました。 またご相談します。

ファクタリングのTRYの利用者からは、「親切に対応してもらえる」との意見が見られます。

ファクタリングのTRYは口コミの数が少ないものの、スタッフの対応に関して好印象を持つ利用者の声が多かったです。 口コミの評価の高さを重視して注文書ファクタリングを利用したい方には、ファクタリングのTRYがおすすめです。

【公式】ファクタリングのTRYはこちらから

GMO BtoB 早払いは最短2営業日で資金化できる

GMO BtoB 早払い画像

GMO BtoB 早払いは最短2営業日で資金化できる注文書ファクタリング業者です。

注文書ファクタリングは回収リスクが高いため、通常より慎重に審査が行われて時間がかかる場合があります。

GMO BtoB 早払いは2営業日で資金化できるため、注文書でも可能な範囲ですぐに資金調達したい場合に向いています。

サービス内容 GMO BtoB 早払い
利用可能額 100万円~1億円
手数料 1.0%~
必要書類 見積書or発注書 契約書 直近2期分の決算書
審査時間 最短2営業日
運営会社 GMOペイメントゲートウェイ株式会社

GMO BtoB 早払いの特徴は3つです。

  • 最短2営業日で資金化できる
  • 手数料1.0%からファクタリング可能
  • 運営会社が上場企業で安心できる

GMO BtoB 早払いでは、手数料1.0%からファクタリングが利用できます。

他社と比べて手数料を抑えて資金調達できるため、負担を抑えたい事業規模の小さい企業にもおすすめです。

ただし手数料が低いと、通常よりも審査落ちのリスクが高いことが懸念されます。 資金繰りの問題が深刻ではない企業であれば、GMO BtoB 早払いでも審査に通過できます。

GMO BtoB 早払いの口コミ

GMO BtoB 早払いには参考にできる口コミ情報がありませんでした。

しかしGMO BtoB 早払いは、インターネット事業の大手グループ傘下・GMOペイメントゲートウェイ株式会社が運営しています。 口コミ情報は参考になりませんが、大手企業グループの信頼があるため、安心して利用できます。

GMO BtoB 早払いはオンラインファクタリングサポートにも対応しているため、トラブルが起きたら気軽に相談しましょう。

けんせつくんは建設業に特化している

けんせつくんは画像

けんせつくんは建設業に特化している注文書ファクタリング業者です。

建設業界を経験したスタッフが多いため、建設業界の事情を把握したうえで、ファクタリングをサポートしてもらえます。

サービス内容 けんせつくん
利用可能額 下限・上限なし
手数料 5.0%~
必要書類 本人確認書類 成因証書 通帳(のコピー)
審査時間 最短2時間
運営会社 株式会社ウィット

けんせつくんの特徴は3つです。

  • 建設業に特化している
  • 最短2時間で入金できる
  • 開業したばかりの事業者でも利用できる

けんせつくんでは、最短2時間で入金までスピード対応してもらえます。

審査だけでなく入金まで2時間で対応できるため、どこよりも早く資金調達できます。

けんせつくんはスマホだけで申し込みでき、必要な書類は3点のみです。手軽に申し込みやすく、審査スピードが早いため、すぐにファクタリングしたい企業におすすめです。

けんせつくんの口コミ

けんせつくんには参考にできる口コミ情報がありませんでした。

しかしけんせつくんは、建設業に寄り添ったファクタリング業者で、建設業で資金調達を検討する企業から注目されています。仮にトラブルが起きても、けんせつくんは年中無休で相談できるため、いつでも相談できる安心感もあります。

けんせつくんは建設業でファクタリングを検討中の事業者であれば、どのような企業でも気軽に相談しましょう。

注文書ファクタリングのよくある質問

    注文書ファクタリングによくある質問をまとめました。

    ファクタリングの提出書類は?
    ファクタリングで必要な書類は「身分証明書」「通帳のコピー」「契約書・発注書」「契約書」「直近の決算書」などがあります。提出が求められる書類は、ファクタリング業者によって異なります。ファクタリング相談前に、必要な書類を確認し、申し込みやすい業者を利用しましょう。ファクタリングの提出書類は、数が多いと書類の準備に時間がかかり、審査にも手間がかかります。必要な書類の数が少ないファクタリング業者がおすすめです。
    ファクタリングは違法ですか?
    ファクタリングは民法の債権譲渡契約に基づいた取引で、違法ではありません。ただし貸金業法に該当する契約内容だと、違法になるケースもあります。違法になるケースとして「償還請求権がある契約」「分割払いが可能な契約」などがあります。口コミ情報や契約内容などを確認し、違法なファクタリング業者でないかチェックしましょう。
    注文書ファクタリングは建設業以外でも利用できますか?
    注文書ファクタリングは、建設業以外の業種でも利用できます。建設業は発注から報酬が手元に入ってくるまで時間がかかりやすい業種です。しかし注文書ファクタリングには、「発注から報酬が手元に入ってくるまで時間がかかりやすい業種しか利用できない」とする決まりはありません。建設業以外の業種でも審査に通過できるため、資金繰りに苦しんでいる企業は、気軽に申し込みましょう。

    まとめ

    注文書ファクタリングは取引の注文書の段階から資金調達できるファクタリングサービスです。

    従来の請求書ファクタリングは納品して請求書を手にしてからでないとファクタリングできなかったため、建設業や製造業などの企業だと、資金不足で案件自体が受けられないケースがありました。

    注文書ファクタリングは発注段階から資金調達できるため、どのような業種でも資金不足を気にせずに案件が受注できます。

    注文書ファクタリングに対応した業者はまだ少ないですが、数パーセントの手数料で注文書から資金調達できるサービスを展開しています。

    資金繰りに苦しんでいる企業は、請求書ファクタリングだけでなく注文書ファクタリングの利用も検討しましょう。