インバウンドニュース
外国人旅行客に対する自治体の非常時対応を強化 「伝わる表現」用語集とマニュアル作成の指針、観光庁が発表
2021.04.14
現在外国人旅行者はほとんど来日していないものの、各自治体等からこの機会に非常時の外国人旅行者への対応力強化を進めたいとのニーズがあることを受け、観光庁が「伝わる表現」の用語集と、「非常時における訪日外国人旅行者対応マニュアル作成のための指針」の2つを作成し発表した。
外国人にも伝わる非常時の表現用語集
「伝わる表現」の用語集は「表現編」と「単語編」の2つで構成されており、非常時のシチュエーションとしては、「全般」「交通情報」「ケガ・病気」「地震(発生地付近)」「地震(発生地以外」「津波」「火事」「強風・大雨・洪水」「火山噴火」「感染症(COVID-19)等」に分かれている。災害対応に必要な用語が「日本語」「英語」「簡体字」「繁体字」「韓国語」「ピクトブラム」でリストアップされている。
これまでのガイドラインの多言語文例等が、災害に対する知識などが日本人と異なる外国人観光客には伝わりにくい表現だった事を踏まえ、災害時に取るべき行動が具体的かつ簡潔に伝わるような表現が選ばれた。「○○地区及び●●地区にいる方は、直ちに■■方面へ避難してください」や「気象庁が発表する噴火予報及び噴火警報に注意しましょう」では、地理的な知識、警戒情報の理解がない外国人旅行者には、どう行動すべきかが伝わりにくい。そのため、「地震が来ます!」「体を低くして」「頭を守って」など、具体的に取るべき行動を短文で表記するように変更している。感染症の用語としては「マスクを着用してください。」や「熱はありますか?」「感染防止のため、入場者数を制限しています。」など、実用的な表現が並ぶ。
自治体向けの災害対応マニュアル作成を促す指針
また、多くの自治体等は、外国人旅行者に対応した災害対応マニュアルの整備が進んでいない等の課題があった。今回、災害時に外国人旅行者を対応する行政機関や事業者等向けに、より具体的な対応方針を示すことを目的とした「非常時における訪日外国人旅行者対応マニュアル作成のための指針」も作成した。
この指針では、「行政・関連団体向け」と「事業者が向け」が、それぞれが連携して取り組むことも想定し並列で記載されている。非常時のフェーズを減災、危機への備え、危機への対応、危機からの復興の4段階に分類し、マニュアル等に盛り込むべき内容が整理されている。
例えば、減災(平常時~危機発生前)のフェーズでは、行政は「地域内に滞在する想定最大旅行者数の把握」を行う一方、事業者は「自社施設の最大利用者数の想定」とある。危機への対応(危機発生時以降)のフェーズでは、行政は「民間施設等での外国人旅行者の収容状況の把握」をにつとめ、事業者は「自社施設における避難者状況の共有」を促す。参考資料として、現場ですぐに使用可能な情報発信のテンプレートなども添付されている。
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