インバウンドニュース
冬季オーバーツーリズム解決に向けタクシー活用した「ニセコモデル」。9割がインバウンド、1日平均180件以上と利用好調
2024.02.01
やまとごころ編集部オーバーツーリズムが原因で地方部における駅等の拠点から目的地への「ラストワンマイル」の移動が困難になる状況を解決するため、応援タクシーを使用する「ニセコモデル」を北海道倶知安町・ニセコ町が立ち上げた。一般社団法人北海道ハイヤー協会、ニセコ町と倶知安町、タクシーアプリを運営するGO株式会社が協力し、2023年12月11日から試運行を開始、12月18日から2024年3月19日まで本運行の予定だ。
12月〜3月の冬季観光シーズンに観光客増加が著しく、移動需要が局地的に膨れ上がるニセコエリア。観光客だけでなく地元住民の足も確保するには、タクシーによる個別輸送が解決策と考え、札幌や東京などから車両と乗務員の応援隊を派遣する日本初の試みとなった。本来ならば営業区域外旅客輸送は道路運送法の禁止行為だが、国土交通省協力のもと協議が整い、運用可能になった。全国で起こりうる類似的状況を解消する手がかりとなるモデルケースとして、継続の可能性を実証することも目的となっている。
このほど、運行開始から約1カ月が経った現在の利用状況を公開。それによると、インバウンド利用の割合が約9割に上り、その内訳は、アメリカが23.2%、オーストラリア20.3%、シンガポール12.5%。続いて香港、中国、台湾など合わせて計50カ以上の国・地域から利用されている。また利用者の8割以上がリピーターとなっており、滞在中に複数回利用していることもわかった。利用件数は一日平均180件、年末年始には1日250件を超え、開始から約1カ月で、合計6000件以上の乗車を実現させた。
他地域からの乗務員の負担を軽減し、限られた車両を有効活用するため、応援隊車両の注文はタクシーアプリ「GO」からのみ受け付ける。計8社からの11台の応援車両と25名のタクシー乗務員がニセコエリアへ派遣されており、車両利用はエリア内発着に限られている。アプリの対応言語は日本語と英語で、通常運賃のほかにアプリ手配料として900円と冬期割増料金が発生するが、迎車料金は発生しない。アプリ手配料は、派遣乗務員の宿泊費などといった経費に充てている。事前予約は不可で、即時注文のみとなっている。
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