カナダ、進む季節平準化、ショルダーシーズンの需要も増加-RVC2019(1)
日本人旅行者減も市場トレンドに変化
旅行会社とメディアとのコラボ強化
今年で43回目となる旅行商談会「ランデブーカナダ2019 (RVC2019)」がオンタリオ州トロントで開催された。今回は、カナダ観光局の新しいブランディング戦略が発表。ブランドロゴを新装するとともに、マーケティング方針もこれまでの体験を重視した旅行から「旅行者の人生観や価値観を変える」旅行にシフトしていことが明らかにされた。日本市場でも「変革力(トランスフォーマティブ)」のある旅行を訴求していく。カナダ観光局の取り組みを取材した。
2018年のカナダへの日本人旅行者数は前年比14.9%減の25万1240人と落ち込んだ。当初の予測では、エア・カナダの成田/モントリオール線の開設により東部カナダへの送客が期待できることからプラス成長を見込んでいたが、最終的には前年割れ。その原因のひとつとして、欧州の治安が安定して日本からの需要も回復してきたことから、ロングホール市場のなかで相対的にカナダのシェアが下落したとの見方も出ている。
2019年については引き続き減少傾向が続き、前年比3.5%減の24万2440万人を見込む。ただし、現地消費額は1.3%増の4億1600万カナダドルとの予想だ。
市場は縮小した一方、その中身については変化が表れている。これまで日本人旅行者は夏と秋に集中していたが、冬と春の需要も増加傾向。カナダ観光局の調査によると、2018年7月から10月では、需要予測よりも実際の旅行者数が下回った一方、1月から4月ではその逆となり、従来よりもシーズンの平準化が進んできている。
元日本地区代表で今年1月に国際担当副社長に就いたモーリン・ライリー氏は「これまでのショルダーシーズンのセールスの結果として、旅行会社、消費者双方で冬のカナダの理解が進んできた」と手応えを示す。最近ではバンクーバーやオタワの春の花、ノースウエスト準州の夏のオーロラも注目が高まり、商品の売れ行きもいいという。