中国、若者向けの旅行企画コンテスト、双方向交流1000万人へ

  • 2017年2月28日

授賞式の様子 中国国家観光局駐日代表処はこのほど、都内で「中国ツアープランニングコンテスト2016」の授賞式を開催した。コンテストは若者世代に対して、中国旅行に対するマイナスなイメージを払拭することや、中国旅行の具体的な情報に触れてもらうことなどを目的としたもの。授賞式冒頭で登壇した中国国家観光局駐日日本代表処主席代表の羅玉泉氏は「コンテストにより、若い人の視点から素材を発信したい。観光を通して、ますます両国の活性化に努めたい」と意欲を示した。

 来賓として登壇した中華人民共和国駐日本国大使館特命全権大使の程永華氏は、2016年の中国からの訪日旅行者は27.6%増の637万人、日本からの訪中旅行者は3.6%増の258万人だったことを説明。その上で、「双方を合わせると約900万人になる。近いうちに双方向で1000万人に到達することが当面の目標」と述べ、「(コンテストにより)中国をピーアールすることで、より多くの方に中国に来てもらい、双方向の交流につながってほしい」と期待を示した。

 コンテストは日本国内の専修学校、大学、大学院などに在学する学生、および同世代の社会人が対象。募集したのは中国の主要都市、主要観光地、世界遺産などを巡る、テーマ性のある企画で、現在旅行会社の店頭やウェブサイトで販売されていない旅行企画を対象とした。基本旅程は3泊4日以上から2週間までで、交通には実現可能なルートや手段を使用していることが条件となる。

 審査は、新素材への対応や企画の斬新さなどに着目して実施。応募総数196作品のなかからグランプリ1作品、準グランプリ2作品、特別賞3作品、努力賞34作品を選定した。グランプリは、ホスピタリティツーリズム専門学校大阪の小坂幸知子さんによる「ジブリの世界に神隠し!チャカ塩湖と重慶を訪れる6日間」となった。

 同ツアーはジブリ映画「千と千尋の神隠し」の舞台に似ていると話題を集めた重慶の洪崖洞と、西寧のチャカ塩湖をなどを訪問するもの。現在、日本で流行しているアニメの聖地巡礼をテーマとした。

 日本旅行業協会(JATA)理事長の志村格氏は、今回のコンテストについて「今年の応募は女性がとても多かった」と紹介。応募作品の総評としては「(応募作品には)広域で、文化を深掘りする企画が多く、目から鱗なツアーも多かった」という。