週間ランキング、1位は関空旅客数-グアムインタビューが2位

[総評] 今週のランキングは、久しぶりに謎の結果です。というのも1位は関西国際空港の国際線旅客数の実績で、関空に限らず1つの空港の旅客数についての記事が1位になるのはおそらくこの10年では初めてです。謎というと関係者の皆様や関西エリアの読者の皆様に失礼ながら、他の記事のアクセス数が悪かったわけでもなく要因をつかみかねています。

 どちらかでご紹介いただいた可能性が最も高いのですが、昨年12月の第3週も関西エアポートの決算が2位に入っており、今後も続けば何かしら別の要因が見えてくる可能性もありそうです。

 次いで2位は、昨年10月からグアム政府観光局(GVB)の日本代表に就任された山本さとみ氏のインタビューです。アメリカ関係の皆様の中では、昨年の中頃から前任の光森裕二氏から責務を引き継ぐのは誰かと話題になっていましたし、そうでなくてもグアムは80万人近い大市場で、しかも旅行会社のプレゼンスの大きいデスティネーションであり、こちらは想定通りの注目度合いでした。

 昨年はグアムだけでなくマリアナ政府観光局でも体制が変わったところで、今年はそれぞれの具体的な活動が徐々に見えてくると予想されます。直線距離で200キロメートル程度、東京と浜松程度の距離しか離れていないなかで、かたやグアムは直近で約75万人、かたやサイパンは約6万人と大きく差のついた状況を、両観光局のプロモーションがどのように変化させるか大変興味深いところです。

 体制の変わり目というと、今週は米国でトランプ大統領が就任し、彼と彼のチームが早速物議をかもすような言動を繰り返して(ある意味では)類まれな才能を見せつけました。これからの世界にどのような影響をもたらすのか分かりませんが、ニュースなどで見聞きするたびに品のない攻撃的な振る舞いに心が荒みます。

 当欄で常々変化の必要性を書き、実際に変化を好む人間のつもりでいましたが、歓迎できない変化を前にして自分の保守的な側面や許容力の低さを実感させられ、鬱々とした気分になります。また、節度や矜持、品といった日本的な価値観に縛られていて大丈夫かという不安も覚えます。

 外部に敵意の矛先を作って内部の結束を高めようとする手法は一つの常套手段といえそうですが、国家間において敵意を煽りやすいのは距離的に近い国です。ネット上ではトランプ大統領から攻撃されているメキシコを見て肩を持つような日本人のコメントが多く見られるものの、同じインターネット上でおそらく日本から中国や韓国に対する罵詈雑言が書き込まれています。

 もしも日本人がトランプ大統領の言動に違和感を覚えるのであれば、「人の振り見て我が振り直せ」の格言通り、まずは自分たちの行動を省みたいところです。また、国際間の「人流」を飯の種とする業界の一員として、声の大きい粗野なアジテーションにひるむことなく、またその意図の裏にある何かしらの事実については目をつむることなく、国際間の相互理解促進に取り組みたいと思います。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年01月20日0時~01月27日19時)
第1位
関空、16年の国際線旅客は15.4%増、日本人がプラスに(17/01/25)

第2位
トップインタビュー:グアム政府観光局日本代表の山本さとみ氏(17/01/24)

第3位
香港エクスプレス、日本支社設立で需要取込を強化(17/01/24)

第4位
S7航空、4月末に関空/ウラジオストク線就航、週2便(17/01/26)

第5位
農協観光など2社、下限割れ運賃で行政処分へ-30日に聴聞(17/01/25)

第6位
JATA、「韓国復活」と「交流1000万人」に向けファムツアー (17/01/26)

第7位
観光先進国へ行動計画、「実行あるのみ」-海外含め三位一体で(17/01/22)

第8位
アメリカン航空、2月から「ベーシックエコノミー」販売(17/01/24)

第9位
日本旅行、「プレミアムフライデー」専用商品、クーポンも配布(17/01/22)

第10位
JATA、海旅推進部長に元KNT權田氏、会員の利益確保に邁進(17/01/23)