サービス連合、17年春闘も月例賃金増に注力、0.5%以上へ

  • 2017年1月22日

(左から)会長の後藤常康氏、事務局長の森啓記氏  サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は1月20日に記者会見を開き、18日に開催した第16回中央委員会で決定した2017年春季生活闘争(春闘)の方針を決定した。引き続きすべての加盟組合は、賃金カーブを維持した上で0.5%以上の実質的賃金改善(ベースアップ)をめざし、月例賃金の引き上げをはかる。会長の後藤常康氏は月例賃金の引き上げについて「ここ3年で5割の組合が何かしらの成果をのこした。今年も月例賃金にこだわる」と強調した。また、中長期的な賃金目標「35歳年収550万円」の実現についても取り組みを進める。

 17年は、16年の賃金水準の実態や「35歳年収550万円」の実現のために設定した「指標」をもとに中期計画を策定し、着実な水準引き上げに取り組む考え。なお、サービス連合が実施した16年の賃金水準の実態調査では、観光・航空貨物業の22歳の賃金水準は加重平均で20万4122円、35歳で34万2952円。ホテル・レジャー業は22歳で17万4325円、35歳で20万4122円だった。

 一時金についても指標を活用して主体的に水準の向上をめざし、指標を活用しない組合については年間支給月数を4ヶ月相当、すでに確保している組合は前年実績以上を要求する。指標を活用しない観光・航空貨物業の組合については、補足水準として要求水準を4.0ヶ月、到達目標水準を5.5ヶ月以上とする。

契約社員やパートタイマーなどの待遇改善については、賃金実態調査などをもとに月例給労働者については3500円以上の賃金改善、時間給労働者については26円以上の賃金改善にそれぞれ取り組む。そのほか無期労働契約への転換も働きかける。また、同時要求では、総実労働時間の短縮、休日数の確保と拡大、男女平等社会などの実現に向けて取り組む。

要求書の提出締切りは原則として2月末日とし、提出が難しい場合は調整の上、3月上旬までには提出することとした。集中交渉期間は3月13日から17日までとし、3月末日までの妥結をめざす。また、春闘期間中には行政や業界団体に対して申し入れをおこなう。

そのほか2月8日には、昨年に続き2回目となる「観光政策フォーラム」も開催する。サービス連合の組織強化に向けては、15年度からの2年間で会員を7000名増やして5万人にまで引き上げる目標を継続。なお、16年の組合員数は4万3035名で、前年からの増加は33名にとどまっている。

 会見ではそのほか、2016年度(16年7月~17年6月)の重点政策を公表し、「インバウンドの拡大」「休日・休暇改革の実現」「観光産業と社会の発展」などを列挙。このうち「観光産業と社会の発展」では民泊サービスのあり方についても言及し、防災・治安・衛生面などの不安については既存の旅館業法を適用することを求めた。後藤氏は1月20日からの通常国会で議論される予定の民泊新法については「法規制がないなかで新法ができることは評価するが、国民の理解が得られるものにしてほしい」と要望。政党に対して意見や意志を表明する考えを述べた。

また、国連世界観光機関(UNWTO)の賛助会員入りをめざす考えも明らかにした。UNWTOが2017年を「開発のための持続可能な観光の国際年」としていることなどを受けたもので、UNWTOとの共同研究をおこない、政策立案などの糧とする考え。入会が実現すれば、労組関連では初めてのケースになるという。


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