週間ランキング、1位はルフトの成田撤退、新春企画も

[総評] 今週の1位は、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)が次の夏ダイヤで成田/フランクフルト線を運休することをお伝えした記事でした。採算が問題とのことですが、現時点でLHは成田からフランクフルトにしか路線を開設しておらず、運休すれば成田からまた1社撤退することになります。

 羽田発着のフランクフルトとミュンヘンの2路線は引き続き運航し、ジョイントベンチャーのパートナーである全日空(NH)も羽田線に加えて成田/デュッセルドルフ線を運航し続けるとのことですが、ヴァージン・アトランティック航空(VS)とオーストリア航空(OS)、そしてLHが撤退する成田の欧州路線は寂しい印象を免れません。

 水は低きに流れ人は易きに流れる、といいますが、利便性の高い方に人気が集まるのは当然です。VSが日本の空から飛び去る原因となった「成田縛り」という言葉も聞かれなくなり、日米間の移動需要も少なからず羽田にシフトする中で、国の玄関口である2空港をどのように運用していくかが問われます。

 また、今週は先週に続いて新春らしい記事が多くランクインしました。2位と3位は海外旅行、特に旅行会社の取り扱う海外旅行の復活に向けた関係者の思いをお伝えできたかと思いますし、5位と6位は新春インタビューです。

 個人的には、6位のインタビューで日本旅行業協会(JATA)会長の田川博己氏が話された、他産業で数十年前に公害問題が発生したように、今は旅行業界が社会的課題の解決を求められているのではないかという視点が印象的でした。

 昨年人気だったNHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でも、主人公が経営する出版社による商品試験で製品を酷評されたメーカーが奮起して改良を実現する姿が描かれていましたが、今目に見える課題は改善のチャンスといえます。その意味で、田川氏の「足元を見直す」というお考えにはとても同感しました。

 一方、5位に入った観光庁長官の田村明比古氏からは、「国が海外旅行を促進することの大義名分が立ちにくくなってきている」というご発言がありました。外国人のお客様をますますたくさんお迎えしなければならない今こそ、自分が海外で「外国人」になる、「言葉の通じない旅行者」になるといった経験が重要になるわけで、その名分が立たないという状況が残念でなりません。

 当欄で何度も書いてきましたし、これからも書くでしょうけれども、サービスの基本について私は「されて嫌なことはしない、してもらって嬉しいことをする」であると考えます。1人でも多くの日本人が海外で喜怒哀楽さまざまな体験をし、それによって「観光先進国」が実現して欲しいと切に願っています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2017年01月06日0時~01月13日16時)
第1位
ルフトハンザ、17年夏ダイヤで成田/フランクフルト線運休(17/01/07)

第2位
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第5位
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第6位
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第7位
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第8位
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第9位
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第10位
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