京都にフォーシーズンズ開業-全180室、敷地内に「積翠園」も

  • 2016年11月30日

シャープ氏  フォーシーズンズホテルズアンドリゾーツとマレーシアに本社を置くベルジャヤ・コーポレーションは11月29日、京都・東山に「フォーシーズンズホテル アンド ホテルレジデンス京都(フォーシーズンズ京都)」をグランドオープンした。同日に関係者などを招いて開催したオープニングセレモニーで、フォーシーズンズホテルズアンドリゾーツ創設者で会長を務めるイサドア・シャープ氏は、敷地内には12世紀に造園された池庭「積翠園」があることに触れ、「フォーシーズンズ京都は実に特別な存在で、800年の歴史を誇る名庭『積翠園』とともに象徴的なランドマークになると思う」と期待を示した。

オープニングセレモニー  来賓として挨拶した京都市長の門川大作氏は「フォーシーズンズ京都は、当市の厳しい規制を遵守されるとともに、周辺の生活道路や通学路の安全対策にも最大に配慮された」と説明。その上で、「京都の文化、地域、自然、伝統産業などと調和した素晴らしいホテルの誕生は誠に嬉しく、心強く思う」と期待を表した。

 フォーシーズンズ京都は敷地面積が2万433平方メートル、総床面積が3万4632平方メートルで、客室数はホテル客室123室とホテルレジデンス57室の計180室。各レジデンスはそれぞれレジデンスオーナーが所有しており、オーナーの希望によりホテル客室としても販売している。フォーシーズンズ京都によると、現在の利用者数は日本人と訪日外国人旅行者が約半数ずつで、客室稼働率は紅葉シーズンで人気が高いことから週末がほぼ満室、平日は6割から7割程度。2017年は年間で平均6割から7割の稼働率をめざす。

ホテルの外観  館内には客室のほか、宴会場やレストラン、バー、プール、スパなどの施設を用意。館内のデザインは、京都らしさを出すために西陣織や障子などの伝統工芸、材木や石などの地元の天然素材を活かしたという。客室の販売価格は例えば、ルームサイズが49平方メートルから53平方メートルの「デラックスルーム」が7万500円から、「積翠園」を眺望できる「デラックスガーデンビュールーム」が9万円から。最上級の「プレジデンシャルスイート」は120万円からに設定した。

 フォーシーズンズ京都によると、販売は直販と旅行会社経由でおこなっているが「当社のウェブサイトからの購入をおすすめしている」という。ただし、「時期によっては、旅行会社と組んで特別プランなども提供していきたい」考えだ。

 なお、フォーシーズンズ京都のオーナーであるベルジャヤ・コーポレーションは、不動産投資・開発、ホテル・リゾート・レクリエーション開発、消費者向けマーケティングなどを展開する企業。日本への進出は今回が初めてで、オープニングセレモニーで登壇した創業者のタンスリー・ヴィンセント・タン氏は「フォーシーズンズ京都の開発を通して、このすばらしい京都の街に関われることは当社にとって大きな誇り」とコメントした。今後は沖縄県の恩納村に新ホテルを開業する計画で、「すでに95%の土地を買収済み。まだマスタープランを考えているところだが、ハイエンドなホテルにする予定」と発表した。