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6月の訪日客数は23.9%増の199万人-上半期で1171万人

  • 2016年7月20日

 日本政府観光局(JNTO)によると、2016年6月の訪日外国人旅行者数(推計値)は前年比23.9%増の198万5700人で、6月の過去最高を記録した。JNTOによると、夏休みシーズンの開始やクルーズ船の寄港増などが増加要因となった。6ヶ月間の累計は1171万3800人となり、初めて半年で1000万人を超えるとともに、ロシアを除く19市場で上半期の過去最高を記録した。

 観光庁長官の田村明比古氏は7月20日の記者会見で、上半期の訪日旅行の動向を振り返り「数の増加も重要だが、すでに新たなフェーズに突入している」とコメント。旅行商品数の増加、地方への集客、リピーターの獲得など、今後もさまざまな課題に対処する必要があるとの見方を示し、「着実に『観光ビジョン』の施策を実行していきたい」と述べた。地震からの回復に向けた「九州ふっこう割」については「地元の感触も悪くない。今後に大いに期待している」とコメントした。

 主要20市場については、台湾、香港、米国が単月の過去最高を記録したほか、英国とロシアを除く15市場が6月の過去最高を記録した。中国は4月から3ヶ月連続で50万人台を超えた。熊本地震の影響で5月は4.2%減と減少した韓国は、前年のMERS(中東呼吸器症候群)の流行による需要減からの反動や、地震後に運休していた九州への航空便の再開などから、38.1%増と大きく回復した。

 国・地域別の訪問者数については、最も多かったのは中国で26.0%増の58万2500人。次いで台湾が15.2%増の39万7800人、韓国が38.1%増の34万7400人となった。前年からの伸び率は、フィリピンが48.2%増の2万7600人で最も増加。2位はインドが39.7%増の1万2000人で、3位は韓国だった。

 7月については、引き続き東アジアから多数のクルーズ船の寄港が予定されていることや、マレーシアやインドネシアがラマダン明けの旅行シーズンを迎えることなどが、プラス要因として期待できるという。なお、熊本地震の影響については、現在も一部の市場で影響が見られることから、引き続き状況を注視する考え。