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ドイツ、16年は前年並み予想-都市や自然、音楽など訴求

  • 2016年4月27日

(左から)ドイツ観光局のケッテルハーケ氏、ドイツ連邦共和国大使館広報文化専門官のホーボルト・幸夫氏、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)日本支社長のドナルド・ブンケンブルク氏  ドイツ観光局は4月26日、都内でプレス発表会を開催した。ドイツ観光局アジア・オーストラリア地区統括局長のレイカート・ケッテルハーケ氏は、16年の日本人宿泊数について「15年よりは増やしたいが、3月のブリュッセルで発生したテロ事件の影響があるため、前年並みの数字をめざしたい」と語った。

 ドイツ観光局によれば、15年にドイツを訪れた外国人の宿泊総数は前年比5.4%増の7970万泊。このうち日本人は3.5%減の121万2288泊だった。ケッテルハーケ氏によれば、昨年11月に発生したパリの同時多発テロで、通常はクリスマスマーケットを目的とした旅行者が増加する12月の日本人宿泊数が12%減になったことなどが影響したという。同氏は加えて、オーストリア航空(OS)が9月に日本から撤退することについても言及し、「音楽をテーマにウィーンを訪れ、ミュンヘンやザルツブルク、ブダペストなど隣国の都市を訪問する旅行者も多い。大変ショックなこと」と語った。

ドイツ観光局のレイカート・ケッテルハーケ氏  セミナーでは、同局ディレクター・マーケティングの西山晃氏が16年のドイツのテーマを紹介。今年は「ドイツ都市体験と自然探訪」「音楽の国ドイツ」「ドイツビール純粋令500年」の3種類のテーマで日本市場にアプローチする方針を説明した。

 都市体験と自然探訪については、ドイツ本国では「自然」をテーマとしている一方で、「日本人は欧州旅行に歴史や文化を求めるため、日本ではまず都市を楽しみ、その先で自然を楽しめるようにした」と説明。ベルリンなどの都市からユネスコの生物圏保護区に指定されたシュプレーヴァルトの草原や湿地帯を訪問し、スラブ系民族のソルブ人の文化を体験するコースを提案したほか、北ドイツのハンブルクを拠点に、ユネスコ世界遺産のリューベックや、シュレースヴィヒ・ホルスタイン・ワッデン海国立公園の干潟を訪問するコースも提案した。

 このほか、音楽については、創立800周年を迎えるドレスデンの聖十字架教会合唱団をフックに、各地で開催される音楽祭や屋外コンサートなどのイベントをアピールする。バイエルン公国のヴィルヘルム4世がビールの原料について定めた「ビール純粋例」については、制定500年を記念したフェスティバルが、ミュンヘンで7月22日から24日まで開催されることを紹介した。