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ノルウェージャン、日本支社開設で販売強化、ハワイクルーズ訴求

  • 2016年3月7日

(左から)NCLHのスティーブ・オデル氏、ハリー・サマー氏、フェリックス・チャン氏  ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)は3月7日、日本オフィスの開業を正式発表した。NCLHの有する「ノルウェージャン・クルーズライン(NCL)」「オーシャニア・クルーズ(OCI)」「リージェント・セブンシーズ・クルーズ(RSSC)」の3ブランドのうち、NCLの営業やマーケティングについて、日本担当ジェネラルマネージャーの川崎義則氏、日本担当シニア・セールスマネージャーの久野健吾氏の2名が専任で担当していく。今年2月から活動を開始した。

 同日に開催した説明会で、NCLHインターナショナル・ビジネスデベロップメント担当、エグゼクティブ・ヴァイスプレジデントのハリー・サマー氏は「国際市場のうち15市場に投資をおこなっていくが、日本はそのうちの1つ」と説明。3ブランドにおける日本市場の拡大に意欲を示すとともに、旅行会社との関係を強化したい考えを述べた。また、アジア太平洋地区、シニア・ヴァイスプレジデント兼マネージング・ディレクターのスティーブ・オデル氏は本誌の取材に応え、NCL専門の日本オフィスを設立したことについて「NCLはカジュアル船でボリュームを重視するビジネス形態であるため、同ブランドに集中してセールス活動を展開する」と語った。

 NCLアジア担当セールス、ヴァイスプレジデントのフェリックス・チャン氏は、日本市場では特にハワイでのクルーズを訴求していきたい考えを示した。特にNCLの客船「プライド・オブ・アメリカ」(8万439トン、乗客定員2186名)による、7泊8日でハワイ4島を巡るホノルル発着クルーズをアピールしていく考え。同クルーズは毎週1回土曜日に出発しており、同社によれば、4島を巡るクルーズを実施しているのはNCLのみという。

 プライド・オブ・アメリカのハワイクルーズの乗客のうち、最も多いのは米国からの乗客で、2位が豪州、3位が日本人。サマー氏は、日本市場におけるハワイの人気の高さや日本/ハワイ間の空路の充実に加え、「1度荷物を船に積めばそのまま移動できる」利便性を強調。チャン氏も「空路で周るよりもコストパフォーマンスは良い」とアピールした。同クルーズでは日本人コーディネーターが毎回乗船するほか、日本語の新聞やメニューなども用意する。

説明会は3月7日に東京に寄港した客船「セブンシーズ・ボイジャー」内で実施  また、チャン氏によればプライド・オブ・アメリカは2月末から3月中旬まで改装工事をおこなう。NCLHが昨年10月から17年末まで実施している、5億2500万米ドル(約596億7900万円)を費やしての保有客船全22隻の改装および船内サービスの向上計画にともなうもの。プライド・オブ・アメリカの改装費用は4000万米ドル(約45億4700万円)で、改装後は同社として初めてアジアの旅行会社向けのファムツアーを実施する。日本からは7社が参加する予定で、チャン氏は「最新の船内を見てもらい、旅行会社とともに宣伝していきたい」と話した。

 一方、食事にこだわったプレミアム船のOCIと、ラグジュアリー船のRSSCについては、PSA(優先的販売代理店)のトラベル・アライアンス、T&T、クルーズ・コネクトの3社が引き続き販売を担う。オデル氏は、「3社と密にコミュニケーションをとり、3社経由でBtoCに取り組んでいきたい」と説明。消費者向けの説明会など「フェイス・トゥ・フェイスのイベントをおこなっていきたい」と語るとともに、ダイレクトメールなどで消費者に直接働きかけていく考えを示した。