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週間ランキング、ANAのA380など1位、ジカ熱関連も

[総評] 今週は、ANAホールディングスの中期経営戦略が1位になったほか、ホノルル線へのエアバスA380型機の投入も2位に入りました。下掲のランキングでは2015年度第3四半期決算を含めて1位にまとめてしまっていますが、旅行業界へのインパクトから考えれば、他を大きく上回るアクセスが集まって当然のラインナップです。

 中でも目立つのは、やはりA380型機でしょう。すでに一般メディアでもいろいろと書かれている通り、大型機は薄利多売に結びつきやすいですし、さらにホノルル線は日本航空(JL)など他社の存在感が大きく、さらにほぼ100%のレジャー路線です。いうまでもなくイールドを高めていく施策も他の方面とは異なってくるはずで、いろいろと工夫を要すると予測できます。

 一方、個人的には入社直後に取材の機会に恵まれて、その大きさに心底驚き航空機の魅力に気付かされた機材ですので、日本の航空会社でようやく見られるようになることが嬉しく感じられます。日本人は乗り物好きとよく言われますし、ましてや海外旅行のメッカともいえるハワイ行きですから、海外旅行需要を喚起する効果が少なからず期待できそうです。

 レジャー需要への対応強化は中期経営戦略でも明記されており、この方針転換が旅行市場や旅行業界に与えるであろうインパクトも興味深く感じるところです。これも一般メディアで書かれていますが、あと1年ちょっとでJLに課された「制約」が解かれるわけで、それまでの期間もそうですが、それ以降に両社がどのようにして競っていくのかに注目が集まります。

 また、今週はにわかに耳にする機会の多くなってきたジカ熱に関する記事も複数ランクインしました。最近だけでもMERSやエボラ出血熱、デング熱などいろいろな感染症のリスクが取りざたされ、その度に観光に影を落としているところで、今回も今後の行方が気になります。

 ジカ熱はあまり重い症状が出ることはないようですが、妊娠していると胎児に影響が出る可能性があるとのことで、すでに厚生労働省が妊婦の流行地域への渡航を自粛するよう呼びかけています。しかし、行かなければそれで解決するかというとそうでもなく、感染症が輸入されることもあり得ます。単純に、日本を訪れる外国人が増えれば増えるだけそういったリスクは高くなるはずです。

 こうしたデメリットが生じる度に、鎖国してしまえば良いというような主張を考えなしにする向きもあるようですが、当然のことながらそんなことは不可能で、国際交流を生業とする我々としては、やはり正しい情報を収集して備えお客様にご説明していくしかありません。

 その意味では、今週7位のコンテンツは東京医科大学病院・渡航者医療センターのメールマガジンを転載させていただいているもので、「備え」にお役立ていただけるでしょう。月1回の掲載ですので、是非ご覧いただければ幸いです。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2016年1月29日0時~2月5日18時)
第1位
ANAHD、「攻めのスピード経営」で国際線拡充-20年営利2000億円へ(16/01/31)
全日空、A380をホノルル線へ-3機発注、19年春の投入めざす(16/01/31)
ANAHD、3Q営利は3割増で過去最高-通期予想を上方修正(16/01/31)

第2位
日米航空協議、2月に東京で開催、羽田昼間枠の路線開設で(16/01/31)

第3位
香港ドラゴンが「キャセイドラゴン」に、CXとの一体感を強調(16/01/31)

第4位
ジャルパック、早期予約の取込強化-上期はハワイや欧州など注力(16/02/02)

第5位
UA、6月からSFO/シンガポール線、成田/シンガポール線は運休(16/02/03)

第6位
トップインタビュー:BUZZPORT代表取締役社長の江藤誠晃氏(16/02/02)

第7位
海外医療通信2016年1月号【東京医科大学病院 渡航者医療センター】(16/01/29)

第8位
ジカ熱拡大、WHO緊急宣言で渡航情報「レベル1」が増加(16/02/03)

第9位
JATA、3年目のインターンシップ開始、産官学連携で人材確保へ(16/02/01)

第10位
日系2社、15年の国際線旅客は8.7%増、利用率は76.2%(16/02/02)