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豪州、インセンティブ獲得へ「新しさ」打ち出す-商談会開幕

  • 2015年12月8日

ドリームタイム2015会場の様子[アデレード発] 南オーストラリア州のアデレードで12月7日、MICEに特化した商談会「ドリームタイム2015」が開幕した。オーストラリア政府観光局(TA)が、特にインセンティブやビジネスイベントを主眼として隔年で開催するもので、今年は11ヶ国・市場のバイヤー95名と71社・団体のセラーが商談を実施。日本からも5名のバイヤーが集まった。

 日本との関わりでいえばインセンティブがコアターゲットとなるが、TA副最高経営責任者のフランシス・アン・キーラー氏は、本誌取材に対し、日本市場ではこれまでFSCの減便や運休などによって苦しい状況が続いていたと指摘。その上で、カンタス航空(QF)の成田/ブリスベン線と全日空(NH)の羽田/シドニー線は起爆剤になり得ると期待を示した。

TA副最高経営責任者のフランシス・アン・キーラー氏 また、座席数の増加をインセンティブの獲得に繋げる方策についてキーラー氏は、「レジャーと同様だが、オーストラリアはすでに行ったことがある、知っている、という認識をくつがえすための“新しさ”が重要」であるとコメント。16年に展開を予定している、ビーチやグレートオーシャンロードなど沿岸部の魅力をアピールするプロモーションも具体策の1つになるとの考えだ。

 こうした“新しさ”を打ち出す発言は、各州・地域から会場に参集した観光局などの担当者からも聞かれており、例えばブリスベン線の復便を最大限に活用したいというサンシャインコーストは、そもそもデスティネーションとしての知名度が以前よりも大きく低下しているとの分析で、逆に目新しさを武器とした上で他地域との差別化をはかり受注をねらうという。

 なお、ドリームタイムでは8日以降、ホストシティのアデレードに加えて国・地域別に設定された都市を視察する予定が組まれており、日本についてはメルボルンが選択されている。