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中国江蘇省、トリッピースを東京事務所に、16年目標は45万人

  • 2015年11月29日

(左から)江蘇省東京事務局の任命式に参加した、江蘇省旅遊局市場促進所副所長の劉旭東氏 、日本政府観光局(JNTO)海外プロモーション部担当部長の平田真幸氏、トリッピースCEOの石田言行氏  中国の江蘇省旅遊局は11月27日、旅行関連のソーシャルメディアを運営するトリッピースと、同省東京事務局の代理事務所契約を締結した。同局が海外事務所を開設するのは今回が初めてで、若者における認知度の高いトリッピースが12月1日から16年11月30日までの1年間、東京事務局としてマーケティング活動を展開することで、若年層の取り込みをはかる。同日には都内で旅行会社とメディア向けに「江蘇省観光説明交流会」を開催し、契約の締結を発表。来日した同局市場促進所副所長の劉旭東氏は「江蘇省にとって日本は長年、最大の送客国となっている」と挨拶し、日本市場の重要性を強調した。

江蘇省旅遊局の劉旭東氏  同局によると、14年の日本人訪問者数は前年比4.6%減の41万9300人。江蘇省への訪問者数は10年以降、円安や反日感情の高まりなどを受けて減少を続けているという。しかし同局では、14年に江蘇省を流れる京杭大運河がUNESCOの世界文化遺産に登録されたことを受け、同年から日本市場向けに世界遺産などをフックにしたセミナーを実施。今年の訪問者数見込みについては非公開としたが、減少幅は縮小しているとし、来年の目標訪問者数については「プラス転化となる45万人をめざす」とした。

 16年については若年層をメインターゲットとし、日本市場における認知度の向上と渡航者数の増加をはかる考え。トリッピースは、旅行業界や一般向けのセミナーを実施するとともに、同社の運営する「トリッピース」や「リトリップ」などのウェブサイトを通じて開催を告知し、あわせてニュースレターの配信などもおこなう。16年5月までには、江蘇省を紹介するウェブサイトも開設する予定。同局では現在、修学旅行などを通じた若者の日中交流にも取り組んでいるところで、この日の交流会では交換留学の実施状況などについても説明した。

 交流会ではそのほか、「大運河文化の旅」と題して江蘇省の観光資源を紹介。同州では京杭大運河に加えて、蘇州古典庭園と南京明孝陵が世界文化遺産に登録されていることなどを説明した。また、大運河沿岸の徐州、宿遷、淮安、揚州、鎮江、常州、無錫、蘇州の8つの市にある観光スポットについても訴求し、目玉として雪舟が修行を積んだ金山寺や、水上観光が楽しめる清名橋古運河歴史文化街区、中国の伝奇小説をテーマとした「西遊記文化テーマパーク」などを挙げた。