アクセスランキング、1位は新LCC就航、「PEX約款」も

[総評] 今週は、台湾のLCCであるVエアー(ZV)が日本就航を計画していることをお伝えした記事が1位になりました。LCCは、たった数年前まで黒船のように捉えられ、日本社会にはなじまないのではないかなどと議論されていたわけですが、今やいったい何社のLCCが飛んできているのかもよくわからないほどで、隔世の感があります。

 ただ、当時から変わらず思うのは、いったいLCCとは何なのかということです。ローコストであろうとするのはすべての航空会社に共通でしょうし、ユニットコストがいくらを下回ればローコスト、という基準もありません。

 FSC、フルサービスキャリアとの対比でいえば、小型機でモノクラス、短距離路線の多頻度運航といった特徴があったといわれますが、エアアジアX(D7)やスクート(TZ)といったLCCは長距離を専門にし、ビジネスクラスも備えます。

 FSCが包括的に提供する各種のサービスをLCCが切り売りするという点は一定の共通項として認められるものの、FSC側も同様の取り組みが進んでおり、これも確実な区別とはいえません。

 旅行会社に対する考え方も様々で、今回のZVもGDSの利用を予定しているそうです。GDSといえば、先日のルフトハンザ・グループによる「GDSサーチャージ」の導入が明示するように航空会社にとっては大きなコストの発生源ですから、本来はローコストオペレーションの妨げになります。

 結局のところ、どちらを名乗るか、でしかないのではないかと思いますが、それこそ「LCFSC」あるいは「FSLCC」を自認する会社がそのうち出てくるのではないかと想像してしまいます。

 次に2位には、募集型企画旅行でPEX運賃などを使用する際に、航空券の取消料を旅行商品の取消料に直接反映できるようになったことをお伝えした記事が入っています。

 取消料の見直しはもともと、2011年に日本旅行業協会(JATA)の要望を受けて検討されたもので、とりあえずホールドしてキャンセルする、というお客様への対応や、PEX運賃を利用して商品造成をした時に航空券と旅行商品では取消料発生のタイミングが違い、旅行会社がコストとして負担せざるを得ないという状況の改善が目的でした。

 当時は、旅行商品の取消料を収受するタイミングを早くし、料率を変更しようという動きでしたが、合理的に期日や料率を定めることができませんでしたので、今回のように実額を基準とした方が分かりやすくて良いように感じます。

 懸念があるとすれば、取消料の算出方法が複数存在するようになることで、お客様が混乱し、パッケージツアーは分かりやすい、安心だ、という印象が損なわれてしまう可能性でしょうか。ただでさえ目がチカチカする約款の文字が約1500文字も増えていますので、きちんとしたご説明がさらに重要になりそうです。

 ところで、ふと感じましたが、「とりあえずホールドしてキャンセル」というのは、航空会社やホテルからのアロットメントで問題視されている構図とそっくりではないでしょうか。素人くさいコメントながら、やはり自分がされて嫌なことは他人だって嫌、自分がしてほしいと思うことを周囲にしていくことが大切だ、と改めて思います。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年6月第5週、7月第1週:6月28日0時~7月3日18時)
第1位
台湾LCCのVエアー、15年冬ダイヤで日本就航へ-GSA指名も(15/06/28)

第2位
「募集型PEX約款」導入へ、個別で取消料請求可能に(15/07/01)

第3位
トップインタビュー:H.I.S.ANAナビゲーションジャパン代表取締役社長の深木重和氏(15/07/02)

第4位
MIATモンゴル、今年も羽田発チャーター実施-8月に計4便(15/06/29)

第5位
全日空、羽田で国内初の自動手荷物預け機-10月に新自動チェックイン機(15/06/30)

第6位
香港、「アガる」旅行先の提案、超豪華キャンペーンも(15/06/30)

第7位
JATA田川氏、海外旅行に「1つの区切り」-プロダクトアウト促す(15/07/02)

第8位
全日空、成田/ブリュッセル線は10月25日に就航-特別運賃も(15/07/01)

第9位
夏の海外旅行者数は1.9%減、円安や感染症など影響-JTB調査(15/07/02)

第10位
日本航空、「ダッフィー」の特別塗装機運航、7月14日から(15/06/30)