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アクセスランキング、1位は仙台/ホノルル運休、燃油廃止も

[総評] 今週は、ハワイアン航空(HA)が新千歳/仙台/ホノルル線の三角運航を取りやめ、新千歳/ホノルル間の直行便に切り替えるというニュースが1位になりました。通常の週の1位と比べて5倍から8倍程度という桁違いなアクセスが集まり、驚いています。理由ははっきりしませんが、一般消費者の方もご興味を持たれたということと推測されます。

 HAは2010年の羽田国際化を機に日本に乗り入れ、翌年に関空、2012年に福岡と新千歳、そして2013年4月に仙台へ路線を開設するなど、精力的に事業を拡大してきました。しかし、2014年には福岡から撤退しており、今回は仙台の運休が決まってしまいました。

 一方でHAは、羽田のダブルデイリー化にも度々意欲を示し、米国運輸省(DOT)にも申請を出すなど実際に行動にも移しているところです。このことからは、もともと2便目は実現不可能だと思いつつ別の目的があるのでなければ、日本市場の評価が下がったわけではないと読み取れます。

 それはそれで日本市場にとってありがたい話ですが、やはり路線を維持できるほどの需要が地方に存在しない、あるいは創出できないという点は課題でしょう。時代はインバウンドにシフトしているものの、外国人旅行者を運ぶのも基本的には飛行機であり、訪日需要を地方に分散するために航空路線が必須であることは間違いありません。

 最近の日本社会は、日本人としての自尊心をくすぐる情報がもてはやされています。もちろん、実際に海外の方々が日本をご評価くださり、数多く日本を訪れてくださっているわけですから、おおいに自信を持って良いでしょう。しかし大切なことは、他者からの視点のみを自分の客観的な評価の目安とすることではなく、自らが「外部」を知って彼我を比較し、総合的に判断することではないでしょうか。

 世の中に完璧なものなどないわけですから、他者の良いところを学び自らを磨いていくことが必要なはずです。実るほど頭を垂れる、ということわざがありますが、個人的にはこれこそが日本人の美徳であり、「おもてなし」が醸成された要因の一つだと感じます。

 稲穂の種子を大きく膨らませるために、そしてひいては更なる観光立国のために、海外旅行は極めて重要な役割を持つはずです。路線を誘致し維持するためにも、海外旅行を振興していかなくてはなりません。

 なお、5位にはニュージーランド航空(NZ)による燃油サーチャージの廃止が入りました。実質的に支払う額は一緒でも、下手をすれば本体運賃より付加運賃の方が高額になることもある不自然な制度より、一本化された運賃の方が望ましいことはいうまでもないでしょう。

 NZの動きが他社に波及するかは分かりませんが、需要動向などに応じた精緻なイールドマネジメントが可能なわけですから、NZに続く会社が出て欲しいと切に願っています。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2015年5月第4週:5月17日0時~5月22日17時)
第1位
ハワイアン航空、新千歳/ホノルル線を直行便に、仙台経由は運休(15/05/19)

第2位
トップインタビュー:中国南方航空日本支社長 呉国翔氏(15/05/21)

第3位
羽田/中国、冬ダイヤに向け大幅増便へ、非公式協議で合意(15/05/19)

第4位
3000名の訪中団で観光振興、二階氏「日中関係の新時代へ」(15/05/17)

第5位
ニュージーランド航空、燃油サーチャージ廃止-10月出発分から(15/05/20)

第6位
JTB、法人向けに海外危機管理サービス開始、初年度70社めざす(15/05/21)

第7位
ユナイテッド航空が団体セミナー、路線網アピール-ラウンジ刷新も(15/05/17)

第8位
日本航空、「JALダイナミックパッケージ」のウェブサイト刷新(15/05/20)

第9位
4月の訪日は177万人、4割増、出国者115万人を大きく上回る(15/05/20)

第10位
ニュージーランドが新キャンペーン、ロゴ刷新も-TRENZ開幕(15/05/18)