アクセスランキング、1位はHIS決算、2位カンタス羽田就航

[総評] 今週の1位は、エイチ・アイ・エス(HIS)の2014年10月期決算の記事でした。売上、営業利益、経常利益が4年連続で過去最高とのことで、苦戦する旅行業界の中で非常に順調な結果といえるでしょう。旅行事業のみでも増収増益で、営業利益は約3割伸び100億円を突破しています。

 ただ、やはり目立つのはハウステンボスを中心とするテーマパーク事業です。テーマパーク事業の売上は262億円程度ながら営業利益は77億円超となっており、これに対して旅行事業は4686億円を売り上げてようやく100億円の利益ですから、ついその対比に目が行きます。

 ライバルであるジェイティービー(JTB)と比較しても、JTBの2015年3月期通期業績予想は売上高が1兆3120億円、営業利益が150億円で、HISグループの2014年10月期の営業利益を僅かに下回った一方、売上高はHISの2.5倍です。

 しかも、HISはアジア・アトランティック・エアウェイズ(HB/AAA)の赤字約18億円を吸収した上ですから、テーマパーク事業の優秀さが余計に際立ちますし、あのハウステンボスがこうなるとはと驚くばかりです。

 HISでは、今年新たに愛知県のラグーナ蒲郡の事業承継を決めており、8月にすでに運営を開始しています。二匹目のドジョウがいるかどうかは分かりませんが、うまくいけば連結営業利益に占めるテーマパーク事業と旅行事業の割合が逆転する可能性も十分あるでしょう。

 さて、次に2位にはカンタス航空(QF)による日本路線の拡充計画が入りました。来夏から羽田/シドニー線に就航するとともに、成田からはブリスベンともう1都市に飛ぼうとするもので、ジェットスター航空(JQ)以外は長い間大きな動きのなかった日豪路線で久しぶりのビッグニュースとなりました。

 羽田にボーイングB747型機、成田にA330型機をそれぞれデイリーで投入するということで、座席が供給過多にならないかつい不安に感じてしまいますが、インバウンドが好調ということで、アウトバウンドも座席増に合わせて販売が活発化するでしょうし、間違いなく相互交流は拡大していくことが予測できます。

 一方、日豪路線では日本航空(JL)も第2の直行便就航を検討しているところですが、QFが先行して増便を決定し発表したことがJLの判断にどのような影響を与えるか気になります。また、日本/オセアニア間では東南アジアの航空会社の攻勢も激しくなっていますので、JLとQFのワンワールド2社がどのように対抗していくかも興味深く感じています。

 なお、日豪間の新路線については、オーストラリア政府観光局(TA)日本・韓国地区局長のアンドリュー・ライリー氏がかねて「2015年下半期までには新路線、新しい座席供給が期待できると強く確信している」と話されていたところです。

 この“予言”が現実となることが分かった今、次は「出国者に占めるオーストラリアへの日本人訪問者数の割合を1%上積みし3%に引き上げる」目標の達成、50万人超の実現を大いに期待しています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2014年12月第2週:12月7日0時~12月12日18時)
第1位
HIS、14年10月期は売上・営利など4期連続過去最高-15年は燃油減に期待(14/12/07)

第2位
カンタス、羽田就航へ、成田もブリスベンほか週7便(14/12/09)

第3位
全日空、15年6月に成田/ヒューストン線開設-東南ア2路線増便も(14/12/11)

第4位
KNT、高橋大輔さん出演「Art on ICE」鑑賞ツアー、スイス6日間(14/12/09)

第5位
JTB、クルーズ強化で事業部設立、新ブランドと銀座に専門店も(14/12/07)

第6位
日韓交流拡大へメガFAM、第1弾520名-数年で700万人へ(14/12/09)

第7位
日本航空、燃油サーチャージを値下げ(14/12/09)

第8位
キャセイ、羽田にラウンジ開設、外航初-香港以外で最大規模(14/12/09)

第9位
JR東日本、新スキーCMに広瀬すずさん起用、若者ターゲットに(14/12/09)

第10位
スカイウィングス・アジア、冬ダイヤで羽田/関空/カンボジアチャーター(14/12/10)

第11位
エミレーツ、A380を3日間で3路線に導入、計33路線に拡大(14/12/07)

第12位
現地レポート:ニューヨーク、MICE誘致を強化、ブロードウェイなど多様な素材アピール(14/12/09)

第13位
フィリピン、語学留学での訪問アピール、15年3.5万人をめざす(14/12/07)

第14位
フォトニュース:日本航空、SKY SUITE 787と冬の機内食メニュー公開(14/12/11)

第15位
IATA、BSP精算期間を短縮へ、15年10月以降(14/12/09)

第16位
フィジー・エアウェイズ、香港経由ルート提案、来夏にチャーター計画(14/12/08)

第17位
JTB、来春にフィリピンで子会社設立、日系法人営業から着手(14/12/11)

第18位
チャイナエアライン、燃油サーチャージ値下げ(14/12/10)

第19位
HIS、チャオで「大人女子ハネムーン」、絶景ディナー目玉に(14/12/08)

第20位
「赤プリ」跡地、開発後は「東京ガーデンテラス」に(14/12/11)