HIS、夏の海外旅行者は3%減-方面1位はハワイ、チャーターでタイも好調
エイチ・アイ・エス(HIS)がこのほどまとめた2013年夏休み期間(7月13日~9月30日)の海外旅行動向で、海外旅行者数は前年比3%減となった。同社によると、今年は中国、韓国の減少が続き、中国は4割減、大きなシェアを占める韓国も3割減となっており、レジャー需要に影響が出ている。ただし、9月出発の単月では連休の効果もあり、5%増と前年を上回った。
また、航空券手配については回復傾向にあり、例年需要が高いお盆期間を中心に、アジアや近場のビーチなどのデスティネーションを中心に、チャーターの買取席などで航空座席数を豊富に用意。今後の駆け込み需要による積み上げも見込めることから、7月からの最終的な渡航者人数では前年を上回る予想だ。
予約の傾向としては、ファミリー専用商品「かぞく海外旅行」が好調に推移。人気渡航先はシンガポール(前年比17%増)、ハワイ(同15%増)、グアム(同5%増)で、人気ホテルに宿泊する商品や、オプショナルツアーなどを充実させた商品の人気が高い。出発日については、8月のお盆に集中せず、値ごろ感のある7月内の出発が上位を占めるなど分散化する傾向がみられた。
方面別ではハワイが高い伸びを示しており、総合ランキングではホノルルが昨年1位だったソウルと逆転して1位になった。円安傾向から、ショッピング目的というよりも、ホテルや観光地など、滞在先や目的にこだわったプランが人気で、「アウラニ・ディズニー・リゾート&スパ コオリナ・ハワイ」宿泊するコースが2ケタ増と増加。HISオリジナルの現地サービスプラン「ウエスト・オアフ・シャトル」も好評だという。
また、HISのグループ会社である国際線チャーター航空会社「アジア・アトランティック・エアラインズ(AAA)」の上積み効果もあり、タイが17%増と伸び調子だ。バンコクも人気渡航ランキングで4位にランクイン。7月19日からはタイでHIS優先入国サービスの提供を開始するため、入国審査の利便性が高まる点もメリットだという。また、インバウンドについても、タイの訪日ビザが免除されることから期待できるとした。
ロング方面ではヨーロッパ方面の添乗員同行型ツアーが好調で、ヨーロッパ全体で2ケタ増で推移。フランス、イタリア、イギリスが上位3位を占めた。フランスでは「ルーブル美術館貸切見学コース」が、イタリアでは往復直行便利用、ベネチア本島内宿泊、「最後の晩餐」鑑賞確約など、ゆったりと旅を楽しめる、内容にこだわった商品に人気が集まっている。
クルーズについては、8月18日からコスタ・ビクトリアを活用した「大型外国客船で行くクルーズの旅」を6コース展開。ゴールデンウィークにも同船によるクルーズを実施しており、6000名以上の参加があった。今年は18歳未満の子供料金を1万円とし、60歳以上の乗客1名に対し孫1名が5000円割引になる「孫割」を設定。ファミリー層や3世代旅行の取り込みもはかっているという。