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中国南方航空、日本/豪パース線の販売強化、利便性と価格で

  • 2011年11月15日

 (パース発:本誌 秦野絵里香) 中国南方航空(CZ)は11月8日に就航した広州/パース線について、旅行業界にCZを利用したパースの商品造成を促していく。同路線は週3便で運航を開始。中国系航空会社では初めてのパースへの定期便就航となる。11月12日から17日までは、西オーストラリア州政府観光局(TWA)と共同で、東京、大阪の旅行会社各社を招きパース研修ツアーを実施。CZ東京支店日本地区営業統括次長東京支店旅客部次長兼務の笹森准美氏は、「サービスや乗り継ぎなどを実際に見てもらうことで企画や販売に生かしてもらいたい」と話しており、“CZで行くパース”ツアーの造成と定着化をめざす。

 日本からパースへはカンタス航空(QF)が直行便を運航していたが、震災の影響などにより今年5月に運休。それ以降はシドニー経由のQF便や、シンガポール経由のシンガポール航空(SQ)便、香港経由のキャセイパシフィック航空(CX)便などを利用した商品造成となっていた。こうした中、CZの北京/広州/パース線就航で、日本から広州を経由してパースに入る、新たな選択肢が増えた。

 笹森氏は往路の乗り継ぎがスムーズにできることを強調。CZでは国際線を拡充しており、国際線から国際線への乗り継ぎを案内する看板を広州の空港に設けた。また、中国に入国する必要はなく、乗り継ぎであることを証明する用紙を配布。また、乗り継ぎの専任スタッフを配置した。さらに、旧正月をめどに乗り継ぎの自動チェックインカウンターも稼働する予定だ。

 このほか、運賃も成田/広州/パース線のエコノミークラス往復で燃油サーチャージを含め6万5000円程度に設定しており、「まずは利用しやすい価格にすることで商品を増やし、需要を取り込みたい」とマーケット活性化へ意欲を示した。

 一方、同路線の復路では広州から日本へ同日乗り継ぎができないといった懸念材料もある。これについて笹森氏は、「あえて1泊することでゆったりと帰国できるととらえてもらうこともできる」と話す。また、「広州滞在を増やすことで、広い意味でのアジアとして雰囲気の違う2都市を楽しめるツアー造成もできるのでは」と話す旅行会社担当者もおり、今回の研修ツアーを通じてパース商品の新たな可能性を感じる声も聞かれた。

 CZでは今後も研修ツアーやセミナーなどを積極的に開催していく考えで、「まずは旅行会社の方々に商品を作ってもらい、認知向上をはかっていきたい」と、旅行会社と協力してパース販売を強化していく考えだ。