クルーズバケーション、販売のポイント紹介-初単独セミナーで

  • 2011年9月1日

キュナードのクイーン・メリー2「グランド・ロビー」(クリックでフォトニュースに移動) クルーズバケーションは8月31日、東京で業界向けに「キュナード・ライン&プリンセス・クルーズセミナー2011」を開催した。東京、大阪、名古屋の3都市で実施するもので、同社が単独で開催するのは初めて。クルーズ販売が一部の旅行会社や支店に限られている現状に対して、より多くの会社・支店に販売を訴えかけるねらいで、外国船クルーズの特徴や販売のポイント、2012年度の同社が取り扱う商品内容など幅広く紹介した。東京は約70名が参加したほか、大阪、名古屋あわせて約60名が参加する見込みという。[/p]

 セミナーではまず、クルーズ代金は高いというイメージに対して、宿泊費や移動費、食事代、エンターテインメント費用、パーティ参加費用、イベント受講料、施設利用料など全てあわせて、キュナードの世界一周クルーズ内側キャビンであれば約150万円だと説明。ランドフィーを支払うよりも安く簡単に手配できると紹介した。

 また、1泊3万円から5万円ほどかかる日本船と比べてキュナードであれば約2万円、プリンセスであれば約1万5000円と値頃感があることも説明。船内エンターテインメントの豊富さや、ベストシーズンに各国を巡るコース設定など選択肢が多いこともアピールした。


▽震災の影響ほぼなし、12年は英国人気で相乗効果ねらう

 同社代表取締役の木島榮子氏によると、2011年は震災の影響により3月から5月まで販促できなかったが、5月以降の予約や商品自体には大きな影響はなく、「予算通り」に推移しているという。下期以降もキュナード・ラインのヨーロッパコースの販売が順調で、10月、11月の地中海のコースも値頃感が出ていることから販売を促していく方針だ。

 また、今年は「長期のハワイクルーズなど珍しいコースが売れている」といい、「円高もあり船会社がスペシャルレートやリーズナブルな料金を設定している。クルーズ好きの人や時間に余裕のある人が身近な料金で申し込んでいるのでは」と今年の傾向について述べた。

 2012年の販売見込みとしては、プリンセス・クルーズのアラスカクルーズで、すでに日本航空(JL)のチャーター便を利用したツアーを販売している旅行会社があると紹介。日食にあわせたコースも大口の予約が入っているといい、順調に推移すると見る。また、オリンピックイヤーということもあり、ロンドンへの興味関心が高まっていることから、英国政府や英国王室と縁の深いキュナード・ラインへの相乗効果に期待を示した。

 なお、9月末から開催するJATA旅博2011でもそれぞれブースを出展する予定で、業界向けセミナーだけでなく旅博でも販促する考えだ。


▽「キュナード」と「プリンセス」、異なる特徴とサービス

 同社の扱うキュナード・ラインは、英国王室と縁が深く英国伝統を受け継ぐラグジュアリー船。クルーズの中でも唯一階級制の名残があり、客室のグレードによってダイニングを分けている。また、無料で24時間営業のビュッフェレストランや英国式のパブランチが楽しめるレストラン、免税品販売や世界各国の6000冊以上の本が揃うライブラリーなどの設備がある。

 2012年度は、サントリーニ島やヴェニスなど人気都市を巡る、9月18日、10月12日出発のクイーン・エリザベスによる「ギリシャの島々とエーゲ海の至宝13日間」や、クイーン・メリー2によるワールドクルーズで、3月にシドニー/大阪発着、大阪/香港発着の日本寄港特別コースも実施する予定だ。

 プリンセス・クルーズは3万トンから10万トンまで16隻の客船を有する船会社で、2013年にさらに1隻追加し17隻となる。客船ラインナップが豊富なことから、客船によってサービスや施設が異なっており、ニーズにあわせて紹介することが可能という。

 また、今後全てのレストランで日本語メニューを導入する予定で、外国船に対し敷居が高いと感じている人にも提案しやすくなるという。プリンセスの中で人気なのはアラスカコースで、2011年はすでに2000人を送客。このほか、ダイヤモンド・プリンセスによる日本寄港クルーズも設定している。