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観光庁、Japan MICE Year記念シンポジウム開催−MICE実践へのノウハウ示す

  • 2010年7月16日
 観光庁は7月14日、大阪で「Japan MICE Year 記念シンポジウム」を開催した。これは、2010年4月に本格的に始動した「Japan MICE Year」のアクションプログラムの要のひとつ。旅行業界からホテル、各地のコンベンションビューロー(CVB)の関係者など、約300名が参加した。

 最初に講演したトゥーラ・リンドバーグ氏は、MICE関連の代表的国際組織であるICCA(国際会議協会)で長期間にわたり会長を務めた経験から、ディスティネーション・マーケティングを成功させるコツのひとつとして、国際組織への加入による情報収集の重要性を強調。そのほか、MCIグループのDMC部門統括バイスプレジデントのパトリック・M・ディレイニー氏は、DMC(デスティネーション・マネジメント・カンパニー)の仕事の役割、人材の育成などについて、体例を挙げて講演した。

 このほか、川島アソシエイツ代表の川島久男氏は、国際会議の誘致活動を展開する際、主催者への商品説明のようなマーケティングにとどまらず、主催者が抱える問題への解決策まで踏み込んで提案する「ソリューション誘致」に取り組むべきだと語るなど、実際の誘致成功の事例を挙げての講演が続いた。

 講演の最後は日本政府観光局(JNTO)の上海事務所長の鈴木克明氏が上海周辺の企業によるインセンティブ旅行市場の動向について述べ、「日本へ行きたいという希望があっても、その80%近くがさまざまな理由でインセンティブ旅行先として選ぶのを断念している」と現状を語り、MICEに適した新たなビザのカテゴリー創出などを含め、今後の市場拡大への意欲的な取り組み方を示した。

 シンポジウムの最後に閉会の挨拶に立った観光庁長官の溝畑宏氏は、MICEへの取り組みの重要性を強調し、官民あげて強力に推進していきたいと述べた。