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JATA、プレ金契機に休み方改革へ、6月までに方針

  • 2017年2月6日

PF専用サイトのキャプチャ  日本旅行業協会(JATA)は2月2日の定例会見で、官民連携により24日から開始する消費喚起運動「プレミアムフライデー(PF)」について、業界内の取組状況を報告した。JATA理事・事務局長の越智良典氏は、PFのねらいの1つである「働き方・休み方改革」について、「(休暇取得を訴える)旅行会社そのものが1番休めていない」と指摘。PFの開始を契機に、業界を挙げて見直しに努める考えを示した。具体的には2017年度の事業計画に「PFへの積極的な取り組み」を盛り込むとともに、6月までに働き方・休み方に関する業界としての方針を定める。

 越智氏は各社のPF関連の旅行商品については「現在は出発日限定の安価な旅行商品や割引クーポンの提供などが中心」と説明。その上で「今後は豊かな時間の過ごし方をアピールする商品や、その日限定の特別な体験を売りにしたものなどが出てくると考えられる。各社の工夫や知恵比べが重要になる」との見方を示した。

 JATAによると、HISが新年の初売りセールで販売した金曜日出発の海外・国内ツアーを皮切りに、1月中旬には主な旅行会社の企画が出揃い、1月末時点で会員25社が取り組みを展開している。PF協議会が作成した公式ロゴマークの申請件数は、他業界の企業・団体を含めて1191件に上るという。

▽HIS問題受け事例収集、「業界が変わるよう取り組む」

 あわせて越智氏は、このほど東京労働局が労働基準法違反で書類送検の方針を固めたと報道されたエイチ・アイ・エス(HIS)についても言及。「(書類送検は)政府が『働き方・休み方改革』に本気だということ。一罰百戒で、これまでにドン・キホーテ、ABCマートと順に来て、旅行業界の代表でHISになってしまったのでは」と述べ、業界全体で議論すべき問題であることを強調した。

 JATAではHISの事案を受けて、経営委員会が会員各社を対象に、休み方に関する取組事例の収集を開始。6月の総会までに事例集として取りまとめ、働き方・休み方に関する業界としての方針を発表する。越智氏は「HISの事案をきっかけにして、業界が変わるよう取り組まないとまずいと思っている。会社の規模によってできることは異なると思うので、規模にあわせた取り組みを集めて業界に広めたい」と意欲を示した。