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Google検索ランキング、16年は訪日26%増、「マイクロモーメント」に好機

 Googleは1月24日、インバウンド関連の検索トレンドについてメディア向け説明会を開催した。プレゼンテーションを担当した同社シニアエクスポートコンサルタント、グローバルエクスパンションチームの香川美奈氏によると、2016年に全世界でされた日本への旅行に関連する検索(旅行関連検索)は前年比26%増。伸び率は15年の44%増から鈍化しているものの、他国と比較すれば依然として高い水準という。

 ここで集計の対象となる「旅行関連検索」は、例えば「Flight to Tokyo」や「Where to stay in Hiroshima」など地名と旅行に関わるキーワードの組み合わせや、観光スポット名など。実際の検索回数はポリシーとして開示していない。

 地名のみの検索回数のランキング上位20位では、英語は順位に多少の動きはあるものの顔ぶれに変化なし。上位3位は昨年が東京、銀座、広島の順であったのに対し、今年は東京、広島、銀座となった。ユニークなところでは、埼玉が前年から約2倍となって14位から4位にジャンプアップ。ただし、香川氏によると人気マンガ「ワンパンマン」の主人公が「サイタマ」であることから、混じってしまっている可能性があるという。

 一方、韓国語と中国語繁体字は大阪が首位。また、英語との差として上位10位に広島、銀座、埼玉、横浜がない一方、英語では11位以下の名古屋や札幌などの都市がランクインし、さらに清水寺や大阪城といった観光スポット名が上位に来たことも特徴となっており、Googleでは韓国や香港、台湾は成熟市場として興味や関心がより具体化していっている可能性があると分析している。

 また、上位10位には入らなかったものの繁体字で「霧島」が202%増、「高松」が269%増、韓国語で「登別(温泉)」が258%増、「有馬温泉」が132%増となるなど急伸したという。なお、中国語簡体字についてはGoogleが中国本土で利用が制限されているため今回のデータでは発表されていない。

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