長野の10スキー場、共通ICチケット導入、訪日旅行者数30万人へ

  • 2016年11月24日

高梨氏 長野県大町市、白馬村、小谷村の10スキー場などで構成する「HAKUBA VALLEY(白馬バレー)」はこのほど、今季から導入する共通ICチケット「HAKUBA VALLEYチケット」に関する記者説明会を都内で実施した。プレゼンテーションをおこなったHAKUBA VALLEY索道事業者プロモーションボード会長の高梨光氏は「利用者の方は、これまで各スキー場での手続きが必要だったが、共通ICチケットにより1回の手続きで10ヶ所のスキー場を楽しめる」とアピールした。

 HAKUBA VALLEYを構成する10スキー場は、爺が岳、鹿島槍、さのさか、五竜、47、八方尾根、岩岳、栂池高原、白馬乗鞍、コルチナ。国内外における同エリアの認知度向上などを目的に、ブランド名には外国人になじみがあるという「VALLEY」を使用し、約3年前からプロモーションを実施している。

 今季から導入する共通ICチケットは、近年増加傾向にある訪日外国人訪問者のさらなる取り込みを目的としたもの。高梨氏によると、10スキー場へ訪問した訪日外国人訪問者数は2009年が8万5000人だったのに対し、15年は163.5%増となる22万4000人で、全体の訪問者数のうち約15%を占めるという。

 このうち、オーストラリアからの訪問者が半数以上の6割で、残りは3割がアジア、1割が欧米など。今後は「オーストラリアの人数を維持しつつ、アジアの割合を増やしたい」との考えで、最終的には「今後3年または4年で、年間の訪日外国人訪問者数を全体の約40%となる30万人まで引き上げることをめざす」という。

 共通ICチケットは1回の手続きで10スキー場の全リフトをそのまま利用でき、1日のうちに別のスキー場のリフトを利用することも可能なもの。販売価格は1日券が大人1名5700円、子供1名3200円で、2日券が大人1万円、子供5600円、3日券は大人1万4900円、子供8300円。販売は、各スキー場のチケット窓口とHAKUBA VALLEY指定の旅行会社でおこなっている。

 また、共通ICチケットの導入に合わせて、ウェブサイトでチャージができる「My Hakuba Pass」も新たに導入。共通ICチケットを1度購入した人が対象で、HAKUBA VALLEYの公式サイトにおいて、次回使用するチケットの金額を使用済みのICチケットにチャージすることで、次回は手続きなしで10スキー場のリフトを利用することができるという。高梨氏は「現在は土曜日や日曜日などゲートが非常に混んでいるが、少しは改善するのでは」と期待を示した。