トップインタビュー:東医大・渡航者医療センターの濱田篤郎氏

日本人を感染症から守るために
旅行業界の協力が必要だ

  • 2016年7月12日(火)

 東京医科大学病院渡航者医療センター教授の濱田篤郎氏はこのほど本誌の取材に応え、世界各地で流行するさまざまな感染症に対し、日本の旅行業界がとるべき対策について語った。濱田氏は海外旅行者などの健康を維持する「渡航医学」の日本におけるパイオニアの1人で、日本渡航医学会では理事長として会員を率いる。昨年の韓国での中東呼吸器症候群(MERS)の流行に続き、リオ五輪を控えたブラジルでジカ熱が流行するなど、引き続き旅行業界や旅行者の対応が求められるなか、濱田氏にお話を伺った。

-まずは日本の渡航医学の現状について教えて下さい

濱田氏(以下敬称略) 欧米では1970年代から「トラベルクリニック」と称する海外旅行者向けの診療所が増え始め、80年代には渡航医学も体系化された。一方で日本は、64年まで海外旅行が自由化されなかったこともあり、いろいろと遅れをとっている。70年代には業務渡航も増え、産業医や産業看護師などによる取り組みが始まったが、本格的に渡航医学の必要性が認められ始めたのは、バブル経済を経て海外への観光客が大きく増え始めた90年代からだ。

 その後は我々の学会が設立され、全国のトラベルクリニックも100ヶ所近くに増えてきた。それでも欧米のレベルには程遠いし、受診者数もまだまだ少ない。特に一般の旅行者に浸透していないことが問題だ。渡航者医療センターについても、受診者の7割は出張や駐在などの業務渡航者で、観光客の利用は2割程度に留まっている。

 日本渡航医学会ではトラベルクリニックの増加をめざすとともに、旅行会社や旅行者に対する啓発活動も続けている。トラベルビジョンと協力して実施した調査によれば、旅行業界でも年配を中心に渡航医学に関心を持つ人が多く、厚生労働省のウェブサイトなどで情報入手に努めているようだが、その情報をうまく旅行者に伝えられていないように思う。学会としては、旅行会社が旅行者に提供する資料の制作などでお手伝いをできればと考えている。

 日本の渡航医学は、私のように感染症研究からアプローチしたタイプと、産業医などからアプローチしたタイプが多い。しかし近年は、救急医学や航空医学、薬学など、さまざまな分野から渡航医学を志す人材が集まり始めている。我々の学会では「医療職認定制度」を設けて、すでに100人以上を認定しており、それぞれがエキスパートとして活躍しているが、引き続きそのような人材育成にも力を注いでいきたい。

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