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スペシャリスト・インタビュー:ピース・イン・ツアー 長谷英治さん

人との交流をテーマにインドシナの魅力を伝える

 入社して今年で4年目となる長谷(ながたに)さん。入社前は専業の添乗員としてアジアからヨーロッパ、アフリカ、南米まで各国を巡っていました。当時、初めて訪れたカンボジアで、現地のガイドさんの心のこもった対応がとても印象に残ったそうです。以来すっかりインドシナに魅せられたという長谷さんは、観光地を巡るだけでなく、もっと現地の人や文化と触れあいたい、交流したいという思いからピース・イン・ツアーに入社し現在に至っています。今回はインドシナの魅力について、体験型ツアーやおすすめのポイントなどを中心にお話を聞きました。

ピース・イン・ツアー 法人営業部マネージャー
長谷英治さん
2010年度(第6回)デスティネーション・スペシャリスト インドシナ認定



Q.DSを取得されたきっかけについて教えてください

 当社はインドシナを専門に扱っています。今回、会社の方針もあって、新入社員など一部社員を除く7名がインドシナのDSを受け、全員が同時に取得しました。問題は通常業務の知識でカバーできるものがほとんどでしたが、勉強に際して新たに発見することもあって、自分にとってよい経験になったと思っています。取得してまだ間もないのですが、今後はお客様に案内する際にも、ただ専門店だからというだけでなく、資格を持っていることでもアピールできると考えています。


Q.日頃はどんな業務をされているのですか

 当社はNGOやNPOが実施するスタディツアーの旅行も担当しており、その営業から手配、そして添乗まで一貫した流れで業務にあたっています。スタディツアーの多くは8月、9月の夏休み、および2月、3月の乾季に当たるハイシーズンに集中しているため、この時期は添乗員として日本と現地を往復する日々になりますね。スタディツアーの内容は、各NGOやNPOの施設を訪れて活動の現場を見学したり、村の小学校を訪れて子どもたちと触れあったり、体験型の交流ツアーとなっています。


Q.スタディツアーの参加者はどういう方が多いのでしょう

 スタディツアーは大きく分けて2種類あるのですが、「地球の歩き方」と組んで実施している海外ボランティアツアーでは、大半が大学生です。訪問地はベトナムもしくはカンボジアが中心で、例えばカンボジアの交流ツアーの場合、現地着後にカンボジアの現状に関するレクチャーを受けてから、孤児院を訪ねて子どもたちと交流、最後はアンコールワットで優れた文化遺産についても学ぶといった流れになります。

 参加の動機は「子供が好きだから」、「将来学校の先生になりたいから」、「ゼミの先輩にすすめられて」、「カンボジアが好きだから」などさまざま。1人で参加する学生が多いのですが、みんなめざす方向性が似ているためか、初日から打ち解けた雰囲気で楽しくやっていますね。再訪ツアーを自分たちで企画して、手配を依頼されるケースもあります。

 一方、NGO、NPOが企画するツアーでは、参加されるのは活動の支援者の方が多いです。普段支援はしていても、実際の現場は見ていない方が中心で、社会人の方からリタイアされた方まで年齢層は幅広くなっています。


Q.参加者の反応で印象的だったことはありますか

 大学生の場合、最初はおっかなびっくりといった感じもあるのですが、現地で子どもたちと触れあって、考え方や価値観が変わったといって帰っていくのをみるのが、仕事の喜びにもなっています。我々の仕事は交流のお膳立てをして、あとは見守っているといった黒子のようなものですが、それに対して感謝の言葉をいただいたりするのも、嬉しい限りですね。また、現地の人たちも交流して親しくなった参加者のことをよく覚えていて、1年ぶりに再訪してもすぐに名前で呼びかけたり、人とのつながりの強さを感じることが少なくありません。これはインドシナの人たちの気質かもしれませんね。


Q.インドシナのなかで、今後注目のスポットはどこでしょうか

 最近、ラオスがイギリスの旅行誌で「行ってみたい国」に選ばれたり、日本でもラオス・フェスティバルが開催されたりして知名度も上がってきています。ラオスというと首都ビエンチャンや世界遺産に登録されたルアンパバンがツアーの主流ですが、メコン川の上流地域には少数民族の暮らす村があり、川でのラフティングや象乗りなど、さまざまなアクティビティやエコツアーの素材が豊富にあります。このあたりも少しずつ紹介していきたいですね。

 ラオスは日本からの直行便がないのが最大のネックですが、今年に入りベトナム航空(VN)が成田からハノイまでの直行便をデイリーベースで運航するようになったため、ビエンチャンあるいはルアンパバンまで、日本から同日乗り継ぎが可能な日が増えました。また現在は運休中ですが、今後ラオス南部のパクセからホーチミンに抜けるルートが活用できるようになれば、インドシナの周遊ツアーもますます便利になってくると期待しています。


Q.個人的に好きな場所はありますか

 やはりラオスのルアンパバンでしょうか。朝の托鉢や夜のナイトマーケットなど、街の生活の風景が好きですね。シンボル的な遺跡とか何かがあるというのではなく、逆に何もない日常的な情景に心動かされるものを感じます。


ありがとうございました


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