スペシャリスト・インタビュー:ジャルパック 商品開発部 宮原亜希子さん

現地で得た知識を生かし、魅力ある商品づくりを

 ヨーロッパ方面で3つのデスティネーション・スペシャリストの資格を持つ宮原さん。ジャルパックに入社してからは2年半ほどですが、長年にわたり複数の旅行会社に勤務。添乗から営業・企画まで広範な業務を担当した経歴を持ち、これまでに訪ねた国や地域は120近くにのぼるという、まさに旅のプロです。総合旅行業務取扱主任者の資格はすでにお持ちという宮原さんですが、今後はDSも全方面制覇をめざしたいとスキルアップに余念がありません。「趣味も旅行」という宮原さんに、お勧めの場所からDS取得の勉強法までお聞きしました。


株式会社ジャルパック
商品開発部企画グループ アシスタントマネージャー 宮原 亜希子さん
2008年度(第4回)デスティネーション・スペシャリスト ドイツ/スペイン・ポル
トガル/イタリア・マルタ認定



Q.通常はどのような業務をされているのですか

 ジャルパックの商品カテゴリーのなかでもアイルのシニア向け高額商品となる「スーパーTC(ツアーコンダクター)と行く世界紀行」と「クルーズの旅」の商品企画が主な業務です。取り扱うエリアは全世界ですが、世界紀行は上期がヨーロッパを中心とした品ぞろえで、下期になると中近東やアフリカ、中南米が入ってくるといった感じですね。

 ずっと社内にいると現場を忘れてしまうので、年に何回かは添乗に出ます。ツアーは比較的長めのものが多いので、1回添乗に出ると10日間から2週間くらいは出張することになります。現地を見るという目的もありますが、お客さまと直接会っているからこそ聞こえてくる声も大切にしたいと考えています。


Q.DSを取得された方面のなかでも印象的な場所といえばどこでしょう

 大学でドイツ語を専攻していたこともあり、ドイツはお勧めしたい国のひとつですね。一般的にはドイツというとロマンチック街道の人気が高く南ドイツへ行かれる方が多いですが、個人的には旧東ドイツなど北ドイツが好きです。このあたりは日本人のシニアの方にも気に入っていただける要素がたくさんあります。例えばツェレ、ブレーメン、ハーメルン、リューネブルクなど、日本人旅行者はまだ多くありませんが、木組みの美しい家並みが残されていてお勧めです。

 ヨーロッパのどこが好きかといえば、田舎町です。ドイツにしろ、フランスやイタリアにしろ、小さな町の魅力をお客様にも伝えたくて、できるだけ商品に組み込むようにしています。


Q.たくさんの国へ行かれていますが、特に好きな国はありますか

 お客さまにもよく「どの国が一番よかったですか」と聞かれるのですが、その方がヨーロッパの街並みが好きなのか、自然が好きなのか、遺跡が好きなのかによってお勧めする地域が違ってきます。ヨーロッパの街並みが好きな方なら、イタリアやドイツ、イギリスの田舎町をお勧めしたいですし、自然が好きならペルーもいいですね。

 私が好きな国ベスト3は、イタリア、ペルー、イスラエルです。3つとも全然違うタイプの国ですが、イタリアは言語を学ぶ目的でフィレンツェに滞在したことがあります。人が好きですし、食べ物や街並みなどもいいですね。ペルーは日本人好みのものがたくさんある国で、マチュピチュやナスカの地上絵、チチカカ湖などユニークな自然が豊富です。イスラエルは、他の国にはない文化が見られるのが魅力。エルサレムにはユダヤ教、キリスト教、イスラム教という3つの宗教の聖地がありますが、それが生活に密着した形で見られる場所はおそらく他にはなく、不思議なところだと思います。


Q.DSは3方面を同時取得されましたが、今後受験される方にアドバイスはありますか

 DSの問題は思っていたより細かい質問が多かったですね。私は現地をほとんど行っているので分かりますが、現地を訪れた経験がないまま勉強して覚えるのは大変かもしれません。逆に試験に出てくるような勉強の仕方をしていれば、ツアーの企画や販売する際にはポイントがつかめるので困らないかもしれませんね。

 また、私は説明会でよく動画を使いますが、実際の街並みなどを動く画像で見たほうが頭に入りやすいと思います。テレビの旅行番組を見たり、世界遺産のDVDをレンタルして見るとイメージしやすいでしょう。行ったことのない地域を勉強する際にはインターネットをはじめ、誰でも情報を得られる環境になっているので、そういう勉強の仕方がお勧めですね。


ありがとうございました


<過去のスペシャリスト・インタビューはこちら>