エンターテイメントの基盤が拡大する様相  アップグレードに余念のないラスベガス
ネオンの輝きが映えるストリップを望むカジノ、ショー、ダイニング、大自然と滞在中に幅広い楽し方が出来る都市。そのアメリカでも屈指の観光客を集めるラスベガスは、デスティネーションとして魅力を常に高めている躍動感が伝わってくる。現在でもホテルの新築・増築をはじめ、都市そのものも開発が進む。ラスベガスで進む数々のプロジェクトの一部をレポートする。
(取材協力:ラスベガス観光局/ネバダ州政府観光局、ハーツレンタカー、アメリカン航空)
ネオンの輝きが映えるストリップを望む
ネオンの輝きが映えるストリップを望む
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大都市の中に大都市が出現

 ラスベガスは全米でも2番目にコンベンションの多い都市。現地を訪問している際にも、大型のコンベンションがあり、MGMミラージュを移動する姿を見受けたのは印象的だ。日本からのコンベンションでも、今年2月に2万人超の規模で開催されており、こちらはウィン・ラスベガスを利用したという。コンベンションの開催では、主となる会場だけでなく、宿泊施設となるホテルの客室の確保、同伴者のエンターテイメントなどの手配等に事欠かないラスベガスは、安心して送客出来るデスティネーションだろう。

 このラスベガスが、さらに受け入れ態勢を拡充するプロジェクトが進んでいる。ストリップ南側で、MGMミラージュが数十億ドルを投じる「プロジェクト・シティセンター」はその一つ。60階建てで客室総数4000室のカジノホテル、3軒の各約400室のカジノを併設しないホテル、ショッピングやダイニング、エンターテイメント施設を併設し、さらに合計約2800ユニットのラグジュアリー・コンドミニアムなどが建設。これは第1期工事で、今後もさらに続く見込みと、巨大なラスベガスの中に、さらに大都市が登場する一台プロジェクトだ。

敷地内に新たなホテルが着工

スイートタワーのエントランスから建物を望む
スイートタワーのエントランスから建物を望む
 ウィン・ラスベガスは先ごろ、マカオへの展開でも日本で話題を振りまいたが、本拠はラスベガス。このウィン・ラスベガスは1つの建物にリゾートタワーとスイートタワーを持ち、それぞれ別々の入り口、フロント、バレットサービスを備え、各々の名称にあった雰囲気を演出し、サービスを提供している。こうした理念はレストランの配置でも打ち出しており、2つのレストラン以外はカジノと別のフロアで営業する22のレストランを展開しており、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめる。

 ウィン・ラスベガスはショー、併設する18ホールのゴルフ場、そしてカジノなどホテル内にエンターテイメント施設が揃っているのも特徴のひとつ。このうち、ゴルフは客室から5分とかからずコースに出ることが可能で、時間も有効的に使うことができる。コースは当然だが、芝は高い状態で維持されており、快適なプレーを保証できるだろう。

リゾートタワー(上)とスイートタワー(下)ではベッドルームを比べるだけでも、その雰囲気の違いがわかる リゾートタワー(上)とスイートタワー(下)ではベッドルームを比べるだけでも、その雰囲気の違いがわかる
リゾートタワー(上)とスイートタワー(下)ではベッドルームを比べるだけでも、その雰囲気の違いがわかる
(左)パティオから隣接するゴルフ・コースを望む (右)建設中のショッピングモール、近々にも「アンコール」が立ち上がる (左)パティオから隣接するゴルフ・コースを望む (右)建設中のショッピングモール、近々にも「アンコール」が立ち上がる
(左)パティオから隣接するゴルフ・コースを望む (右)建設中のショッピングモール、近々にも「アンコール」が立ち上がる
(写真左)ベネチアン・リゾート内に置かれている「パラッツォ」(左)の完成予想図。右の「ベネチアン」と合わせ、巨大なリゾートが出現する(写真右)工事が進む「パラッツォ」のエントランス部分。奥には道路を隔てて立つウィン・ラスベガス (写真左)ベネチアン・リゾート内に置かれている「パラッツォ」(左)の完成予想図。右の「ベネチアン」と合わせ、巨大なリゾートが出現する(写真右)工事が進む「パラッツォ」のエントランス部分。奥には道路を隔てて立つウィン・ラスベガス
(写真左)ベネチアン・リゾート内に置かれている「パラッツォ」(左)の完成予想図。右の「ベネチアン」と合わせ、巨大なリゾートが出現する(写真右)工事が進む「パラッツォ」のエントランス部分。奥には道路を隔てて立つウィン・ラスベガス
 このウィン・ラスベガスの敷地に隣接し、姉妹ホテル「アンコール」を2008年末に開業する予定。既に工事を始めており、ショッピングモールを立ち上げている。ホテルはオールスイートタイプで客室数は約2000室を予定しており、ウィンで得ている質の高いサービスを提供していくようだ。また、ホテルにはスパ、各種レストランも入る予定だが、現在は設計段階で、アメリカでも流行しているスパがどのようなサービス体制となるのかも注目したいところだ。

 ベネチアン・リゾート・ホテル・カジノは隣接する敷地に新たにホテル「パラッツォ」を建設中だ。オープンは来年を予定しており、着々と工事が進められている状況だ。パラッツォは52階建て、3000室のオールスイートを予定。施設としては、ショッピングモールをストリップに面する配置で、これに6つのボールルーム、315の会議室、キャニオンランチ・スパクラブなどを備える。特に、ショッピングモールは大型駐車場を備えた大規模なものを予定しており、早くもストリップの賑わいを増すことが予想される。ショップとしてはバーニーズニューヨークの出店などが決まっているという。

 ベネチアンは2003年、1013室のタワー「ベネチア」を増設し、全客室数は4000室超となっているが、今回のパラッツォの増設で7000室超に達する。これで、ラスベガスでも最大級のホテルとなり、敷地全体で進めてきたリニューアル・プロジェクトに目処が付く。

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