2006年のイベントスポンサーには、新たにJCBカードが名乗りを挙げた。これは今春からJCBがハワイで展開している「ディスカバー・アロハ・キャンペーン」との相乗効果を狙ったものだろう。今年JCBは海外旅行市場にアグレッシブに仕掛けている。4月に発表したこの販促キャンペーンではハワイ観光局の後援を受け、ハワイでの利用者数及び利用件数の大幅な増加に繋げている。さらに、今年6月の成田国際空港第1ターミナル、南ウイングのオープンに併せ、会員向けサービスデスクを設置、渡航前の顧客サービス体制を整えた。またアメリカのクレジットカードサービス大手の「ディスカバー」と戦略的業務提携も結び、あらゆる角度から海外旅行客の取り込みを図っている。またハイアット・リージェンシー・ワイキキ・リゾート・アンド・スパも旅行関連企業の代表として協賛を継続。今年もハイアットは女性誌3社とテレビのスタッフに滞在中の宿泊客室を全面提供。後日相応のページ数の広告や記事が掲載され、TV放映では協賛ホテルとして紹介される。ハワイの11月の客室稼動率を考えれば、その費用対効果は計り知れない。
招待客限定のイベント以外にも、この時期アラモアナ・センターを訪れる一般客が参加できるような工夫がいくつも用意されている。例えばクリスチャン・ディオールで行なわれた「2007年スプリング/クルーズ・コレクション」のランウエーショーは、店外に特設ステージを設置、上顧客は店内で、一般客は店外ステージ付近で本格的なファッション・ショーを楽しめるものであったが、偶然通りがかった女性客を中心に大いに賑わいを見せていた。
流行に敏感な日本人のニーズを的確に捉えたこれらの営業展開は特筆すべきものがある。消費者の嗜好が多様化を見せる今、既に成熟したデスティネーションと言えるハワイにおいて、今後異業種とのコラボレーションを含め、この手の特殊な企画が増える傾向にあると思われるが、主催企業の個性とセンスが問われるのは言うまでもない。