前回の教育旅行メールマガジン5月号でも説明したように、旅行業法の一部改正に伴い標準旅行業約款が改正され、旅行契約の種類が変更された。したがって、改正された旅行業法と標準旅行業約款がスタートした今年4月1日以降に結ばれる旅行の契約は、言うまでもなく新法に則ったものになる。では例えば、4月1日より前に修学旅行の契約を結んだけれど、旅行の実施日はまだ先という場合はどうなるのか。その場合は旅行の実施日が4月1日以降でも、契約をした時点の内容が有効となる。つまり旧旅行業約款に基づいて修学旅行が実施されることになる。ただし、これはあくまで法律的に解釈した場合の話。実際には、4月1日以降に契約を結んでいても、新しい標準旅行業約款に基づいた旅行を実施できることになるケースが多いと考えられる。
というのも、新旧の旅行業約款を比較すると、新旅行業約款には旅行者にとってより有利な内容が盛り込まれた面があるため、旅行会社としても旅行者に有利な部分は、契約のタイミングにかかわらずに提供しておいた方が、大局的に見て営業面でのプラスが大きいと判断しているからだ。
新旅行業約款で旅行者にとって有利な部分とは、前号でも紹介したように旅程保証と特別補償が主なものだ。改めて説明を加えておくと、旧旅行業法のもとでの修学旅行の契約形態は企画手配旅行か手配旅行のいずれかであったわけだが、そのどちらの契約の場合も旅行会社には旅程保証責任や特別補償責任はなかった。しかし、新法のもとでの修学旅行の契約形態は受注型企画旅行か手配旅行のいずれかということになり、このうち受注型企画旅行として契約した場合は、旅行会社は旅程保証責任と特別補償責任を負わねばならないことになったのである。旅程保証責任とは、旅行内容の変更が運送・宿泊機関等のオーバーブッキング(過剰予約)等により発生した場合、変更事項ごとに決められた一定料率の変更補償金を、旅行会社が旅行者側に支払わなければならない責任のことだ。また特別補償責任とは、旅行中の事故により旅行者が身体および携帯品に損害を被ったとき、旅行業者の責任の有無にかかわらず、死亡補償金、後遺障害補償金、入院見舞金・通院見舞金および携帯品補償金を旅行会社が支払わねばならない責任のことだ。
このように、新旅行業約款の受注型企画旅行は"より旅行者にメリットのある契約形態"と言える。そこで4月1日より前に結んだ旅行契約についても、新旅行業約款と同等の条件で旅行ができるように配慮する旅行会社も多い。具体的には3つの選択肢を用意しているケースが多いようだ。1つ目は、以前の契約を一旦破棄して、代金はそのあままで新たに受注型企画旅行として契約をし直す。2つ目は、以前の契約を残した上で、旅行会社が旅程保証責任と特別補償責任を負うことを付け加えた特約を結ぶ。そして3つ目は、旅行者側が望めば旧旅行業約款に基づいた契約のままで旅行を実施するというもの。契約をし直したり、新たな特約を結んだりすることが手続き上難しいため、あえて旧法の企画手配旅行契約のまま旅行を実施したいと望む学校も少数ながらあるようだ。
ただし、こうした配慮をする旅行会社も、無期限で対応してくれるわけではない。業法が切り替わってから3ヵ月ないしは長くても4ヵ月程度を移行期間と考える旅行会社が多いようだ。つまり7月いっぱいくらいが対応期限ぎりぎりといったところか。こうした対応をとっている旅行会社の場合は、学校側が黙っていても旅行会社の側から業法改正に関する説明と契約内容の見直しに関して提案してくれるケースが多いと思われる。しかし、修学旅行を企画手配旅行として契約していて、できれば旅程保証や特別補償が付く受注型企画旅行の契約に切り替えたいと考えており、そのための手続きをまだしていない学校は、急いで旅行会社に相談してみることだ。いまならまだ間に合う可能性がある。
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