TRAVEL VISION
G'Day from Sydney〜グッダイ フロム シドニー〜
2007年6月発行
2007.6.28 シドニー・オペラ・ハウス世界文化遺産に登録
シドニー・オペラ・ハウス世界文化遺産に登録
芸術性の高いプログラムを演じる演奏会場として、また観光アトラクションとして世界に知られているシドニーのアイコン、オペラハウスが6月28日、UNESCOの世界遺産に登録された。これにより、既に世界遺産に登録されているアメリカの「自由の女神」、インドの「タージマハール」そして中国の「万里の長城」などのランドマークと正式に肩を並べ「オーストラリアのランドマーク」として再デビューすることとなった。シドニー・オペラハウスはニュー・サウス・ウェールズ州5番目の世界遺産となった。
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Sydney Opera House 特集
歴史
構想段階
 1940年代末、シドニー・シンフォニーの総指揮者ユージン・グーセンスは、大型舞台装置を設置できるような大型劇場をシドニーに建設すべきだと主張。1956年1月NSW州知事J.J.ケイヒル(J.J. Cahill)はベネロング・ポイントを建設予定地として、オペラ専用劇場のデザイン案の公募を世界規模で行った。
 ケイヒル知事が組織した建築設計コンペには世界32カ国から233件の応募があった。この中から帆や貝殻の群れを思わせる複雑で有機的なデザインをした、デンマークの建築家、ヨーン・ウッツォン(Jorn Utzon)の設計案が選ばれ、1955年に基礎デザインが決定した。ウッツォンは1957年シドニーに到着し、建設の指揮を執ることとなった。
着 工
 1959年3月にオペラハウスの着工式が行われた。建設計画は三段階からなり、工費はA$700万、完成は1963年を予定していた。
 工事の第一段階(1958年〜1963年)は1958年12月5日に始まり、台壁の工事は1959年5月5日に着手されたが、工事は47週も遅れ、1962年8月31日に完成した。
 工事の第二段階(1963年〜1967年)では、建物の外壁および屋根となるシェルの建設が始まった。計画では1964年8月から1965年3月までの間に完成することになってが工事は遅れ、完成は1967年7月にずれこんだ。
NSW州新内閣誕生
 第三段階(1967年〜1973年)の内装工事は、ウッツォンが1963年2月に事務所をデンマークからシドニーに移転させた時点から始まった。しかし1965年の州選挙でロバート・アスキン首相率いる新内閣が誕生し、工事費が当初予算より膨れ上がったオペラハウス計画は公共事業省の管轄下に移すと宣言。
 1965年10月、ウッツォンは公共事業省のデイヴィス・ヒューズ(Davis Hughes)に対し、第三段階工事のスケジュールを提出したが、ヒューズはウッツォンに対する内装試作品の製作許可を保留にした。
ウッツォン辞任そして完成
 この事件をきっかけに、ウッツォンは1966年2月28日にオペラハウスの設計者を辞任した。ウッツォン辞任後、彼の地位は3人の建築家に引き継がれ、当初完成予定の10年遅れ、1973年に完成した。また総工費はA$1億200万に達し、当初予算の14倍以上にもなった。
 1973年10月20日、エリザベス女王二世による開会式が催され、正式にオープンした。
 オペラハウスに設置される世界最大級のパイプオルガン「グランド・オルガン」は1979年に完成。1988年、オーストラリア建国200周年を記念してベネロング・ポイント西側に遊歩道が完成。1999年には5番目の劇場であるプレイハウスが追加された。
和 解
 2000年、ウッツォンとの間で、オペラハウスの一部内装の再デザインの合意が交わされ、当初のウッツォンの内装案がレセプションホールに実現した。2003年、ウッツォンはオペラハウス設計の栄誉をたたえられ、シドニー大学から名誉博士号を授与された。高齢で旅行ができないウッツォンに代わり息子が受け取ったが、同時にウッツォンに対しオーストラリア勲章やシドニー市の鍵なども授与された。
(一部Wikipedia より抜粋)
会場
(1)コンサート・ホール 2679席
オペラハウス内で最大のホール。世界最大規模の10500本のパイプを持つパイプオルガンが設置されており、本来は演奏のためにデザインされているが、ポップスなどのコンサートからオペラ、ダンスなども演じられる多目的ホールとなっている。シドニー・シンフォニー、オーストラリア室内管弦楽団など、定期的演奏の会場となっている。
(2)オペラ・シアター 1507席
最大72名の演奏者が演奏できるオーケストラ・ピットを持つプロセニアム・アーチ・リリック・シアター。主な利用団体はオペラ・オーストラリア、オーストラリアン・バレエ、シドニー・ダンス・カンパニーなど。原語上演されることが多いオペラのために、舞台上方に英語の字幕が出る電光掲示板が取り付けられている
会場
(3)ドラマ・シアター 544席
小規模場ミュージカル、コンテンポラリー・ダンス、ドラマなどに適しているプロセニアム・アーチ・シアター。舞台中央の大小の円形部分が回転するため、舞台転換、演出効果を出すのに最適。
(4)ザ・スタジオ 最高318席
実験的な演劇、コメディ、新人アーティストのパフォーマンス、朗読、サーカスなど様々なパフォーマンスに対応可能なスペース。劇場形式からナイトクラブ形式までフレキシブルに変化する。
(5)プレイハウス 398席
舞台と観客との距離を感じさせない会場で、映画館としても使用できる。講演会、セミナーなどの開催にも最適。
(6)フォアコート
週末には無料のダンスやコンサート、映画の上映も行われる。
(7)オペラハウス・ウォークウェイ
建物の周りを広範囲に回る遊歩道。オペラハウスの様々な表情が楽しめる。
(8)北側フォイヤー
ホールとシアターの外にあり、観劇の合間にシドニー湾とハーバーブリッジを眺められる。
(9)ベネロング・レストラン 3ハットレストラン
数々の賞を受賞し続けている、伝統的フランス料理の影響を受けた現代オーストラリア料理。
ガイド・ツアー
オペラハウス・ツアー
最も人気のあるツアー。オペラハウス完成までの歴史とすばらしい魅力的な建築様式の解説を聞きながら、劇場の内部を見学する。最新のパフォーマンスについてお聞きください。
注意:所要時間は1時間。このツアーには、約200段の階段がある。
バックステージツアー
シアター、ホールの中央ステージに一度上がってみたいという方にとって、まさにぴったりのツアー。指揮者や役者の視点から観客席を見渡せる貴重なツアー。朝食付きで2時間にわたり、ステージの裏側やステージの袖、楽屋、オーケストラピットなどに実際に入りながら説明を受ける。
最大催行人数8名。説明は英語のみ。要予約。
パフォーマンスパッケージ
オペラハウスでのパフォーマンス鑑賞を組み込んだ3種類のパッケージツアーが用意されている。シンプルなパフォーマンス+ガイド付きツアーとこれに様々な受賞歴のあるベネロング・レストランでのディナーまたは、シドニーハーバーでのカクテルクルーズをプラスしたツアー。要予約(予約、問合わせは英語のみ)。
日本語ガイドツアー
日本語ガイドツアー
 日本からの旅行者の増加を受け、シドニー・オペラハウスではトレーニングを終了した6名の日本語を話すガイドによって、毎日2回、午前11時と午後2時30分(土曜を除く)からガイドツアーを催行している。
 オペラハウスは世界でも、最も数多くの公演が開催される、格式の高い施設のひとつである。このツアーが行われることになり、オペラハウスに関する逸話や秘話、華やかな歴史、設計や建築技術について奇跡的とも言える、偉業について日本語で解説を受けられることになった。
 日本人旅行者は、シドニー・オペラハウスを訪れる旅行者の国別統計で第4位。2004年と2005年の2年間で、16万6千人以上の日本人がオペラハウスを訪れている。日本語によるツアーは、ここを訪れる日本人旅行者にとってなくてはならないものとなっている。また、今回の世界遺産登録によってさらにその需要は増加することが予想される。

日本語ツアーの種類は次の2種類

コンサートホール
シドニー・オペラハウス・ツアー(Sydney Opera House Tour)
 所要1時間。オペラハウスに6つある会場のうち、壮麗な木製のパネル張りのコンサート・ホールとオペラ・シアターを見学する。またシドニー湾の素晴らしい眺望が楽しめるガラス張りの北ロビーにも入場する。  ツアーではオペラハウスの歴史や建築についての解説のほか、最近オペラハウスで行われたパフォーマンスなど、オーストラリアの舞台芸術についても説明が受けられる。
●FIT向けツアーは毎日午前11時からと午後2時30分から。最小催行人員は設けていない。
●15名以上の団体は、午前8時45分から午後4時45分までの間で、毎時15分と45分開始のツアー催行ができる。
●料金 17歳以上 A$23.00 16歳以下 A$16.00

ウッツォン・ルーム
スポットライト・ツアー(Spotlight Tour)
 所要30分。時間に余裕のない団体向けのツアー。オペラハウスの概略と歴史、建築について説明が受けられる。6つの会場のうち少なくとも1つに入場して見学するほか、シドニー湾が見渡せるロビーエリアにも案内する。
●10名以上の団体が対象。催行は午前8時30分より午後5時までの間で、事前予約が必要。 料金1名 A$13.20。

【問い合わせ&予約】ホームページ
ツアー予約 TEL:61-2-9250-7250
Website
NSW州政府観光局ウェブサイト一新
NSW州政府観光局ウェブサイト一新
 ニュー・サウス・ウェールズ州政府観光局がウェブサイトを一新した。8種類の言語を使い、15カ国向けに作られた新しいウェブサイトは各国共通URL www.seesydney.com。これはアクセス・ポイント(国)を自動識別し、その国の言語のホ−ムページが画面に現れる仕組み。他言語のホームページを閲覧したい場合は、Select Countryのプルダウンメニューから選ぶことができる。
  今後、トップページは各国毎のキャンペーンなどに合わせてカスタマイズされることもあるが、それ以外のページ・デザインは共通化され、情報内容も統一されている。
Spring Flower Festival Website
 冬を迎えているニュー・サウス・ウェールズ州ではあるが、今年の春も各地で開催されるフラワー・フェスティバルの準備が着々と行われている。今号では各地のフェスティバルのURLを紹介しよう。
Festival of Flowers Hunter Valley Gardens - 2007
27 July - 2 Sep.
ホームページ
Australian Springtime Flora Festival
6 Sep. - 9 Sep.
ホームページ
Floriade 2007
15 Sep. - 14 Oct.
ホームページ
Bowral Tulip Time
20 Sep. - 3 Oct.
ホームページ
Leura Gardens Festival 2007
29 Sep. - 7 Oct.
ホームページ
Grafton's 73rd Jacaranda Festival
26 Oct. - 4 Nov.
ホームページ
Berry Gardens Festival
18 Oct. - 21 Oct.
ホームページ

アジア太平洋経済協力(APEC)開催による規制について

シドニーCBDマップ
 現在オーストラリアで開催中のAPEC(Asia-Pacific Economic Cooperation)会議は9月2日から9日まで、シドニー市内で首脳・閣僚による会議が行われる。これに伴いシドニー市内の交通規制やアトラクションの制限等が行われるが、その一部が政府より発表された。

●政府発表の交通規制予定 市内交通関係
9月2日(日)〜4日(火)
CBD(市中心部)は自由に移動できるが、警察による規制が行われるのでCBDヘの出入り、CBD内での移動には通常より時間がかかることもあるので注意が必要。
9月5日(水)〜6日(木)
CBD北部を中心に警察による規制が一層強く行われるようになる。車を運転する方は駐車規制や断続的な交通遮断による渋滞などを考慮すること。
9月7日(金)〜9日(日)
CBDの殆どのエリアに行くことはできるが、ダーリング・ハーバーのシドニー・コンベンション・センター、シドニー・エキシビション・センター、ロイヤル・ボタニック・ガーデン内のガバメント・ハウス、オペラハウスなどAPECの会場となる施設へのアクセスは規制されるので注意が必要となる。

●シドニー・フェリー
9月7日(金)の運行時刻は祝日の時刻が適用される。なお8日(土)・9日(日)は通常の週末の時刻表が適用される予定。

●空港関係
一般の航空機の運行には影響は出ない模様。しかし空港と市内を結ぶ交通機関(タクシー、バス、鉄道)については、各国要人の空港への出入りに関連して経路の変更、交通規制が行われることが予想されるので、空港へ向かう時は十分な時間を持って行くこと。駐車場への影響はない模様。空港内業務の税関、出入国管理、検疫は通常通り行われる。また空港内のショップについても通常通りの営業が行われる予定。

●9月7日(金)
シドニー市内を含むニュー・サウス・ウェールズ州の一部が公休日となるので、注意すること。
この期間シドニーを訪れるAPEC関係者の数は、21カ国から約6500人の会議参加者と随行員、約1500人のメディアが予想されている。

●APECとは
1989年に発足したAPEC(Asia-Pacific Economic Cooperation:アジア太平洋経済協力)は、アジア太平洋地域の持続的発展に向けた地域協力の枠組みです。発足時には12カ国であった参加メンバーは拡大し、現在では、21カ国・地域による経済連携となっています。
APECは他の地域の統合と異なり、参加国の自主性を重んじ、域外に対しても貿易・投資の自由化・円滑化の成果を分け合うことを目的とした「開かれた地域主義(open regionalizm)」を標榜しています。また、NAFTA(北米自由貿易協定)諸国、ASEAN7カ国、ロシア、中南米をも含む広範な地域をカバーしていることから、地域統合間の連携としての側面も持っています。

【APEC詳細】ホームページ

齋藤貴子のシドニー便り
齋藤貴子のシドニー便り 2004年ニュー・サウス・ウェールズ州政府観光局に入局。 2006年1月24日よりシドニー本局に転勤となる。2ヶ月に1回シドニーの「ホットな情報」から旅行者のためになる 「ちょっとした事」まで、Takako Saito の目で見た情報をお届けします。
Sydney Royal Easter Showを楽しもう!

会場で見かけた“爆笑”の光景
 Sydney Royal Easter Showに関して再度触れさせていただきたいと思います。昨年からInboundのマーケットをターゲットにしたパッケージが用意されています。パッケージには入場券、一番人気の午後5時から午後9時30分までのアリーナでのイベントの特等席または予約席での鑑賞、アリーナ以外の主要イベント3つの鑑賞が含まれています(主要イベントに関しては、43号のニュースレターをご参考ください)。
 夕方から夜に掛けて行われるアリーナでのイベントの一番の見所はロデオ・ショー。実際は大会になっているので、会場は和やかながらも熱気に包まれます。この後、スリリングなレースカーやバイクのショーが行われ、盛大な花火で幕を閉じます。

ジャミソンズ・レストランからもショー鑑賞ができる
  アリーナの特等席の反対側にあるJamison’s Restaurantでの食事もお薦めです。Incentive Packageには、このレストランでの3コース・ディナーが含まれます。受賞歴のあるレストランですので、味もサービスもきちんとしています。
  このレストランの面白いところは、食事の合間合間にレストランの外にでて会場席でイベントの空気を味わうことができます。このレストランのお客様用の会場席で、数にもかなり余裕をとっていますので、自分の好きな時に出入りしても会場席がなくなることは殆ど無いと思います。とてもVIPな気分が味わえます。パッケージには関係なくこのレストランで食事をすることは可能ですが、席に限りがありますので予約をされることをお薦めします。

  さて、私にとって2回目のSydney Royal Easter Showでの大発見は、『Show Bags』です。これは、お買い物好き、お得買い好き、福袋大好きな日本人には見逃せないコーナーです。Show bagsとは、福袋です。中身がしっかり表示されているので、お得感がヒシヒシと心を突いて、つい誘惑に負けてしまいました。
  100種類以上の福袋の中でも目を惹くのは、人気服飾ブランドのShow Bagsです。旅行中にはチェックしてみたいと頭の中で考えることがあっても、なかなか足を運ばないオージーブランドの服飾ブランド物をダイジェスト的に入手することができる良い機会です。

Show Bagsコーナー
  Show Bagsコーナーを目指す前に、ガイド・ブックにShow Bagsが全て紹介されていますので、お気に入りを幾つかチェックすることができます。ちなみに、私はHello Kittyの福袋まで購入してしまいました。姪っ子へのプレゼントとはいえ、オーストラリアでHello Kittyを購入していることに少し矛盾を感じつつ・・・衝動買いの衝動には勝つことができませんでした。
 会場へは、CityRailを利用して街の中心部から簡単にアクセスすることができます。会場の駅は入り口の直ぐ隣といっても良いくらいの位置にありながら、サインもしっかり出ていますので迷うことは無いはずです。

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